tomica『LUNAR CRUISER』をLEDで電飾する part4
“トミカプレミアム”シリーズ『07 ルナクルーザー』。
ヘッドライトとテールライトを光らせる【LEDで電飾する③】のつづき。
いよいよ完成へ。
LEDライト 加工
改造の終わった電池BOXを上部キャビンルーフ裏に貼り付ける。
LEDユニットの組み込み
1.LEDジョイント
テールライトの光ファイバーを受けるための“LEDジョイントマウント”を前側カシメ柱に沿わせて縦に配置する。
収まりがギリギリなので赤色LEDの脚を短かく曲げてある。
位置を確かめたら、赤色LED球をジョイントに差し込み、カシメ柱に接着。
アルミパイプのジョイントと赤色LED球の収まりはかなり窮屈。
なので接着前に、先に赤色LED球を挿し込んでおく必要あり。
接着の前に、カシメ柱のダイキャスト塗装を削って剥がしておく。
この処理をしないで塗装の上から接着しても剥離してしまうので。
接着には2液性の接着剤(エポキシ系など)を使用。
柱もアルミパイプも“曲面”なので、瞬間接着剤では強度が出ないので、厚盛りできる接着剤の方が向いていると思う。
👉メモ 2液性エポキシ接着剤の注意点注意
1.2液の量を間違えないこと
2.硬化するまで動かさないこと
分量がいい加減だと時間が経っても強度が出ない。
また「5分硬化タイプ」であってもできれば24時間は触らない方が良い。
硬化後も目立たない方が良いので、今回は透明な「ガラス・工芸用」を使った。
もちろん金属にもOK。
より強固に接着したい場合は「金属」専用の接着剤を使う。
光ファイバーの組み込み
1.ヘッドライト
1)光ファイバーの固定
15cmほどにカットした光ファイバー1.0mmΦを2本用意。
改めてヘッドライト穴に通るかを確認、接着する部位の確認もする。
光ファイバーとダイキャストボディの接着は、プラスチック対応の瞬間接着剤(透明)で軽く点付けするだけ。
軽く接着しておけば何かの理由で光ファイバーを抜き取りたい時に容易。
※点付け接着ができれば、UVレジン接着剤などもOK(やや高価)
接着する前にウインドウパーツ(透明オレンジ)をボディ裏にはめ込む。
光ファイバー面がボディの面と合うように調整して見栄えのいい位置を決める。
写真⇩ これはちょっと出過ぎ
そして接着剤で固定。
2)光ファイバーの曲げ加工
1日おいて接着剤が十分に硬化してから次の作業にうつる。
プラ丸棒で作った光ファイバーマウントに、2本の1.0mmΦ光ファイバーを通す。
1.0mmΦの光ファイバーはあまり柔軟性が無く小回りが利かない。
なので、熱風ドライヤー(ヒートガン)を使用して光ファイバーをUの字に曲げ、ボディ内に収まるように成形する必要がある。
アクリル樹脂は70~90℃位で変形を始め、加工の場合は130~150℃位にするらしい。
今回の光ファイバーはとても細い素材なので低めの100℃あたりに設定してみた。
プラスチックやアクリルを熱加工する際は一気に加熱してはいけない。
樹脂の一部だけを溶かしてしまったり収縮変形させてしまう。
一か所に集中しないように広くゆっくり動かしながら炙り、時間をかけて温める。
光ファイバーがボディの後部でUターンする様なカタチになる様に曲げていく。
なるべく大きな半径で、しかしボディ内に収まる半径に。
そもそも、光ファイバーはなるべく曲げちゃいけないのは承知だが、“Uターン型”に加工して実際はどうなのか試してみたい理由もある。
熱風が他に当たらないようマスキングテープ養生してから、1.0mmΦ光ファイバーの曲げ加工をした。
しかし、作業を始めてから気づいた・・・
作業性を考えれば、電池boxを入れる前に、光ファイバーを曲げ加工しておいた方が簡単だったと。
アルミパイプで作ったジョイントを固定する位置を想定し、なるべく後ろのカシメ近くにマウントが来るよう位置決める。
位置が決まったら、面に合わせて余分なファイバー線(1.0mmΦ)をカットする。
白色LED球と光ファイバーマウントを、LEDジョイントに差し込んでで接続する。
ボディ上部キャビン内にLEDモジュールを収めることができた。
2.テールライト
1)光ファイバーの引き込み
次はテールライトの工作。
光ファイバー0.5mmΦを2本用意。
シャシー(グレー色)の上にフェンダーパーツ(シルバー色)を重ねると、光ファイバーをキャビン内に引き込むルートが無い。
写真⇩ カシメ柱の穴やON/OFFスイッチの穴を通すことは無理
つまり光ファイバー専用のルートが必要になる。
そこで、ボディ下部キャビンの中央辺りに専用の穴を開けることにする。
ホイール軸に干渉しないギリギリの位置を見定め、フェンダーパーツと下部キャビンを重ねてドリル穴開け。
無事、光ファイバー0.5mmΦ×2本を通すことができた。
2)光ファイバーの固定
シャシー裏から光ファイバー0.5mmΦを固定する。
接着剤は少量。
盛り過ぎると、上からのフェンダーパーツ(シルバー)が収まらなくなる。
ここも強度が出るまで動かさないよう注意。
瞬間接着剤は硬化が早くて便利だが、実は強度がでるのには少し時間がかかる。
ON/OFFスイッチの組み込み
数時間おいて光ファイバーの固定ができたら、スイッチを固定する。
シャシーにフェンダーパーツを重ね、スイッチを四角の穴に押し込む。
さらに白色ボディ下部を重ねる。
ここまでの過程で中間にあるフェンダーパーツにON/OFFスイッチを接着固定する。
そして光ファイバーマウント(0.5Φ用)に、テールライトのファイバー2本を通す。
ここで一度上部キャビンと下部キャビンを仮組みしてみる。
組み立て最後に柱に接着したジョイントへ光ファイバーマウントを差し込むので、その距離が合うように、0.5mmΦ光ファイバーの長さを確認しておく。
上部と下部キャビンを合わせた時、光ファイバーの差し込み代がちょうど良い長さになる様に、0.5Φ用マウントの位置を上下に動かして、最終的な位置を決める。
位置=長さが決まったら、0.5mmΦ光ファイバー2本をカット。
LEDユニットと光ファイバーの取り付け完了。
LEDライト 組み立て
ボディの組み立て
改造後の『ルナクルーザー』の全パーツ。
先にルーフ上のアンテナ2か所を差し込む。
次にON/OFFスイッチのコネクタをつなぐ。
ココがちょっと難しいところ。
上部のLEDジョイントに下部のマウントを差し込みつつ、ボディを組み合わせねきゃいけない。
ボディの奥なので見難くて指が届かないが、ピンセットを駆使してがんばる。
ここは差し込むだけで接着はしない。
電池交換など車体を分解したい時に、このマウントが外れないといけないため。
そして最後、シャシーをビス止め。
これでようやく完成。
外観の印象
元ヘッドライドはシルバー塗装だった。
そこに穴を開け光ファイバーを差し込んであるため、少し面構え印象が変わった。
後ろ姿は変わらない。
(テールライトLEDは見えない)
やはりアンテナが立っている方が締まり良く映える。
LEDライト 点灯
スイッチONでライト点灯。
キャビン内もイイ感じに明るくなっている。
LED球の根元だけをあえて遮光していないので、その漏れ光による副次的効果。
バックのテールライト。
ちょっとボディ下部から赤色光がもれているが…まあOK。
まとめ
トミカのLED電飾に初めて挑戦した。
電飾職人さんのBLOGを幾つか参考にさせてもらったが、実際に自分でやってみると中々根気のいる作業だった。
リード線の半田付けや配線などは簡単。
それよりも、ダイキャストボディに正確な穴をあけたり、プラスチックパーツをくり抜いたり、光ファイバーを熱加工したりといった工作がなかなか難しかった。
特にヘッドライト部分の穴開け。
中心にきれいに開けることが難しく、わずかにズレただけでも失敗に終わる。
正確な穴が開けられるまで、実は何台も失敗し廃車にしてしまった💦
反省点1
苦労して曲げたのにヘッドライトが思ったほど明るくないのが残念。
裸のLED球はちゃんと明るいので、光ファイバーを曲げ過ぎだったかも?
反省点2
テールライトは十分に明るい。
穴を開けたシャシー部分も下部キャビンも、赤い光が透けて見えるほど。
やはり何か遮光対策が必要だったかも?
それでも個人的には満足。
甘いところが多々あるが「ライトが光る」というのはカッコイイ。
今の段階ではトミカにしか無い『ルナクルーザー』のミニカーだが、将来は他社からも色々でてきそう。
色々ギミック付きで出るんじゃないかと今からわくわくだ。