Bluetooth『HIOKI マルチメータ DT4261』実測テスト│レビュー
道具の第三十一回め『HIOKI デジタルマルチメータ DT4261』
前回の準備編からの続き。
今回は実際に乾電池やダイオードなどの「計測テスト」をしてみる。
HIOKI DT4261 計測テスト
1 乾電池の電圧
単三乾電池2本×直列の電圧を測ってみる。
オプションパーツの“わに口クリップ”を使用。
電池ボックスのそれぞれの端子に“わに口クリップ”をはさむ。
電圧測定なので、先ずロータリースイッチを「AUTOV」の位置に。
右側の赤色端子にテストリードを挿し込む。
電池ボックスのレバースイッチを左にオン。
1秒かからず電圧値「3.208V」が表示された。
レバースイッチを逆にするとマイナス付きで「-3.208V」を表示する。
2 直流パワーサプライの電圧
ToolkitRCのDCパワーサプライP200を使用して、12.0Vの電圧を測る。
P200出力ケーブルの“わに口クリップ”でDT4253のテストリードをはさむ。
P200側は出力設定が「12.0V」になっていることを確認。
P200の右側ジョグダイアルをクリックして給電開始。
1秒かからず「12.07V」が表示された。
3 コンデンサの容量
220μFのコンデンサ(キャパシタ)の静電容量を測る。
テストリードの“わに口クリップ”をコンデンサの脚+と-にそれぞれつなぐ。
マルチメータ側は、右側の赤色端子と黒色のCOMを使用。
ロータリースッチはコンデンサマーク「┫┣」に。
ピッピッ……と10秒近くも考え込んでから「0.247mF」を表示。
ちょっと遅い。
4 抵抗
510Ω(緑茶茶金)の抵抗を計測する。
極性はないのでどちらの脚がプラスでもOK。
ロータリースイッチはオームマーク「Ω」の位置に。
約2秒ほどで計測結果「511.1Ω」を表示。
5 発光ダイオード
赤色発光ダイオードを計測する。
1.電圧
まずは電圧.
ダイオードは長い脚がプラス(+)で短い脚がマイナス(-)。
“わに口クリップ”で長い脚(+)、短い脚(-)をそれぞれをくわえる。
DT4261のモード切替は2段階必要。
ロータリースッチを先ず「▶ꡲ ⇨⇦」マークに合わせる。
ダイオード計測(▶ꡲ)と導通チェック(⇨⇦)が兼用になっていて、最初は導通チェックモード状態になる。
なのでファンクションボタンを(Fn)を1度押し、ダイオード測定モードにしなければならない。
Fnを押すと表示アイコンが「ダイオード ▶ꡲ」に変わり、電圧が計測される。
ロータリースイッチ+Fnという2段階はちょっとめんどくさい仕様。
2.電流
赤色ダイオードの電流値を測る。
電流値の計測は、マルチメータを電源~ダイオード回路の中に割り込ませて1つの環にしないといけないので、今回も”ブレッドボード”を使用する。
【注意】
通常ダイオードを乾電池1.5V×2=3.0Vに直結させたら壊れてしまうことも。
しかしマルチメータを回路が入ると何とか壊れなかった経験もあるので、今回も抵抗を入れずに計測する。
※自己責任
電流値の計測なのでロータリースイッチを「AUTOA」の位置にしてから、左側の赤色端子にテストリードを挿し込む。
最初にロータリースイッチを回さないと、左側の赤色端子シャッターが開かない。
電池ボックスのレバースイッチをON。
計測結果は「70.4mA」と表示された。
HIOKI Z3210 ワイヤレスアダプター
Bluetoothワイヤレス通信ができるZ3210をインストールする。
スマホ用アプリ『GENNECT Cross』が提供されている。
AndroidならGoogle Playからダウンロード。
開くと、この画面が出る。
この状態でマルチメータDT4261の電源を入れる。
ロータリースイッチはOFF以外ならどこでもOK。
すると「接続機器設定を行いますか?」と問われる。
もちろん「はい」へ進む。
1秒かからずDT4261が認識される。
機種名とともにシリアルナンバーも表示されている。
個体認識されるので複数台の登録も可能になる。
画面左上の「<ホーム」をタップするとホーム画面になる。
それからホーム下の「標準測定」項目をタップすると、、
画面がかわり、マルチメータと同期した計測値がスマホに表示される。
下の例は、1.5V乾電池×2本の電圧を計測中。
スマホ画面にもリアルタイムで計測結果が表示されている。
この測定結果はスマホ画面で同時確認できるだけでなく、データとして保存したりログを記録したりもできる。
まとめ
以前のDT4200系からマイナーチェンジ的に少し性能が上がっている。
良いところ、良くないところをまとめてみた。
※あくまで個人感
使用感
1.良いところ
1つめ。
液晶画面が広くなり見やすくなったこと。
2つめ。
防水仕様になったこと。
3つめ。
クビレ形が変わりカッコ良くなったこと。 見た目は大事である。 ※個人感
4つめ。
HOLDボタンが視認しやすい点灯式になったこと。
5つめ。
テストリードのピン保護キャップが一体式になったこと。
2.良くないところ
1つめ。
端子シャッターのせいでアンペア側にテストリードを挿したままOFFにできない。
これは本当に不便。
例えばこんなふうにロータリースイッチの右端でも「OFF」できるよう、2か所OFF仕様にしてほしい。
2つめ。
ロータリースイッチがDT4281の様な凹んだデザインになり回しにくい。
個人的には親指1本でも回しやすいDT4253や4256の様な形状が好み。
写真⇩ 左/DT4253 右/DT4261(本機)
3つめ。
立てスタンドを開いた状態での保持力が弱く傾いた台では倒れそうになる。
4つめ。
ダイオード測定に2段階操作が必要なこと。
ロータリースイッチ+Fnボタン を毎回押すのはめんどくさい。
5つめ。
さらに重くなった💦
まとめ感想
性能的には十分満足な本機。
不満点が改良されたらミドルクラス(かな?)では最強になるのでは?
さらなる進化に大いに期待したい。