MATTEL『Hot Wheels id CYBERTRUCK』開封│分解│レビュー
マテル社の超有名ミニカー、ホットウィール。
2019年に登場したのが‟Hot Wheels id”。
「スマホアプリgameとリンクさせて遊べる」ということで、どんな仕組みなのか?
遅ればせながらちょっといじってみた。
Hot WheelsⓇ id とは
特徴
Amazon等の商品紹介などを読むと次のように書かれている。
- NFCチップ搭載のホットウィールミニカー
- フィジカルとデジタルを融合
- スマホアプリと連動してゲーム内で使用
- 新しい車を集めて仮想ガレージ
- ”Hot Wheels iD Race Portal”でスピードやラップを計測
などなど。
つまり、
「普通のホットウィール・ミニカーとして遊べる」
「専用トラックとスマホをリンクさせてラップ数やスピードを計れる」
「持っているiDカーをレースゲームに登場させて使うことができる」
という、リアルとバーチャルで遊べるオモチャ。
遊びかた
1)アプリ
ゲーム名もそのままの『Hot WheelsⓇ iD』は、Google Play や App Store からダウンロードできる。
※以下 Mattel社の公式YouTubeチャンネルから抜粋。
2)インストール
Hot Wheels id アプリへの登録
Mattel公式動画 How to scan Hot Wheels id Cars
Hot Wheels iD アプリの遊び方
Mattel公式動画 How to race in the Hot Wheels iD app
Hot Wheels iD Smart Trackの使い方
Mattel公式動画 How to play with the Hot Wheels iD Race Portal
Mattel公式動画 How to play with the Hot Wheels id Smart Track
Hot WheelsⓇ id CYBERTRUCK
Hot Wheelsの分類?
ホットウィールの1/64ミニカーを大別すると3つのカテゴリに分けられるらしい。
- 従来からのbasic系
- トイラジの Hot Wheels RC
- そしてこの Hot Wheels id
トラック遊び、RCカー、NFCカーといった遊び方による種類である。
遊び方が違っても、同じ車種なら同じデザインのミニカーだろう・・・
と思っていたら、そうじゃないところがHot Wheelsのズルイところ。
だから揃えたくなってしまうのである。
しかしbasic、RC、id の3カテゴリーで同車種で揃えたくても難しいのが現状。
一番の理由はRC系の車種がまだ数車種しかないから。
増えつつあるidカーもbasic系には及ばず、やっぱり少ない。
今、同じ車種で揃えることができるのは『TESLA Cybertruck』『2020 Corvette』『Rodger Dodger』『NISSAN GT-R /R35』などしかないのが現状である。
なぜCYBERTRUCK?
3カテゴリで同モデルを並べたい!と思っても、なかなか揃わない中、
運よく入手しやすかったのがこのCYBERTRUCKだった。
写真⇩ 左から”Hot Wheels RC” “Hot Wheels iD” “Hot Wheels basic“。
1 概観
1)開封
そんなわけで、やっと手に入れた新しいカテゴリーの Hot Wheels iD。
さっそく開封してみる。
iDシリーズは、通常ホットウィールとは違った小箱のパッケージになっている。
外箱の大きさは(約) 横139×縦78×高50mm。
底面の小窓からミニカーのiDチップ(NFCタグ)が覗ける。
上面の蓋を開くと中身のミニカー全身を見ることができる。
封印シールをカットして、中箱をスリーブ式に引き出す。
中身はミニカー本体のみ、説明書なども無し。
2)外観
まずはフロント。
リア荷台にはEATV(電動の四輪バギー)らしきパーツが乗っている。
RCカーやbasicカーのサーバートラックには無かったので、たぶんiDだけの造形。
上面から。
シャシーは黒っぽい半透明。
NFCチップタグが透けて見える。
3)サイズと重さ
全長は約76mm。
車幅は約28mm。
タイヤ外幅は約30mm。
車高は約26mm。
重さは43.5g。
2 分解
「id仕様のホットウィールは中身がどうなっているのか?」
素朴な疑問から分解してみることにした。
1)工具
通常ベーシックカーと同様、idカーも2か所のカシメ(加締め)で固定されている。
支柱の太さは3mm~1/8インチ(3.2mm)位らしい。
なので金属用ドリル刃の3.0mmと電動ドライバー(またはドリル)を用意。
2)穴開け
あせってボディを傷つけたりしない様、穴開けは低速でゆっくりと。
ドリル刃が中心にあるかどうか、シャシーに対して刃が垂直に立っているか…など注意しながら開けていく。
シャシー面まで削れたところで一旦止める。
写真⇩ カシメがほぼ削れバリが残っている状態
バリの除去には、少し太めのドリル刃3.6~4.0mmでゆっくり削ってやる。
または、ドリルを使わずペンチなどで切削バリを引きちぎってもOK。
カシメがキレイに無くなれば完了。
3)ボディの中身
カシメを取ってしまえば、ボディは簡単にバラバラになる。
一番下のシャシーを外す。
シャシー内面に、NFCタグが貼り付けられている。
これが”iD“の心臓。
ボディ(ダイキャスト)、キャビン(黒プラスチック)、シャシー(半透明)に3分割。
さらに、ボディとウインドウを分解。
カシメ(加締め)柱の後ろは、荷台にあるEATV(電動バギー)の一部になっていた。
全パーツを並べた様子。
3 ネジ加工
中身チェックできたので、ミニカーを元に戻す。
削り取ったカシメは戻せないので、ボディとシャシーはねじ止めにする。
1)ビスとネジ穴
まずカシメのあったボディ前の柱の太さを測る。
次にEATV側の柱。Φ3.2~3.3mmくらい。
シャシーに開いている穴の径も測る。
こちらはΦ3.5mm。
これらの結果から、ビスを選定。
支柱が3.2mmなので、当然それ未満のビス径にする。
太すぎず細すぎずというところで「径M2×長さ4mm」にした。
ビス頭はボタンヘッド。
頭の径が4.0mmなので、シャシー穴3.5mmにも対応できる。
2)道具
ビス穴を開けるための工具を用意。
ネジを切る「M2穴用タップ」と、その下穴を開けるドリル刃Φ1.6mmを用意。
下穴開けには電気ドリルも必要。
タッピングはピンバイスなどを使って手作業で行う。
小径の柔らかいビスなので、電動だとネジ穴をつぶしてしまう怖れあり。
3)下穴
ドリル刃をセットして1.6mmの下穴を開ける。
ボディやEATVのカシメ柱に対して、まっすぐドリル刃を立てるように注意。
ビスの長さが4mmなので、下穴はそれを超えていないといけない。
だいたい5.5~6.0mmくらいの深さで開けておく。
4)ネジ切り
この”組みタップ”の場合、粗>中>仕上 の3本がセットになっているので、粗目から順に使っていく。
2/3~1回転ほどねじ込んだら1/3~半回転ほど戻す、を繰り返してネジを進める。
一気に開けず、時々タップを抜いて穴の中の削り粉を掃除することも忘れずに。
粗目のネジを切ったら、次に中目、最後に仕上げ、とタップ刃を交換していく。
注意すべきは、決して下穴の深さ以上奥までねじ込まないこと。
せっかく作ったネジ山がつぶれてしまう。
仕上げまでネジが切れたら完了。
5)ネジ穴の確認
ちゃんとネジ穴にM2ビスが入るかどうかを確認する。
六角穴なので六角ドライバー1.5も用意。
4mm長のビスが根元まできちんと入ればOK。
4 復元
ボディとシャシーを組み立てる。
ビス2本を締めて、
復元終了。
重さはちょっと軽量化して43.4gとなった。
おまけ
サーバートラック3種比較
他のHot Wheelsラインとidサイバートラックを並べてみた。
左から、”Hot Wheels id” “Hot Wheels basic” “Hot Wheels RC” の順。
id仕様だけ荷台がオープンになっていて、EATV(電動バギー)が乗っている。
シャシー面。
タイヤもちょっとずつ違う。
idのタイヤは前後とも溝のないツルツル。
basdicのタイヤは幅広で凸凹トレッド造形あり。
RCのタイヤは、フロントがプラ製、リアがゴム製になっている。
積んでみた。
上から”id” “RC” “basic“、ホイールのデザインも違う。
車高はベーシック・カーが一番高い。
左から、id=26mm、 basic=27.5mm、RC=25mm。
こうして比べてみると、荷台の造形はEATVがある”id”の出来が一番良く見える。
でもタイヤだけはオフロード仕様のbasicがトラックらしくてカッコイイ。
まとめ
良いところ
コレクションしたミニカーをゲーム内のガレージに並べたり、レースで走らせたりとか、バーチャルと融合させて遊べる”id“はなかなか楽しい。
余談だけど、Nintendoゲームのアクセサリーに「amiibo」というキャラクターのフィギュアがあって、やはり内蔵ているNFCタグによってゲーム内にアイテム などを取り込んだりできる。
あれと同じような仕組みのオモチャである。
また微妙にクルマのデザインが変えられているので、basicを持っている人でも収集欲をかきたてられそうである。
不満なところ
2019年秋から始まって数年たつのだけれど、まだまだ車種が全然少ない。
さらに何故か、日本国内にはあんまり出回っていなくて滅多にお目にかからない。
結局ネット通販で探すしかないのが現状。
明らかにbasicラインとは違うデザインが多いiDシリーズ。
この魅力あるラインアップをもっと積極的に国内展開して欲しいものである。