小型│軽量『SANWA エアダスター 200-CD071』開封│レビュー
工作や修理に必要な工作室の道具を紹介する第三十六回め。
今回はハンディタイプの『電動エアダスター』。
圧搾空気で塵や埃を吹き飛ばすお掃除ツール。
キーボードの掃除や保護フィルム貼りなど、卓上で使うので小型のものが欲しい。
今までエアダスター缶を使っていたが、お徳用パックでも1本が数百円、でもすぐ無くなるというコスパの悪さが気になっていた。
「エア(空気)でホコリを掃い飛ばす」という道具には、カメラレンズなどで使う“エアブロワ”も便利なアイテム。
軽くてコンパクトだし電源いらないし缶のようなゴミも出ない。
でも掃除し続ける=ポンプを押し続ける作業になり、けっこう疲れる。
風力も弱い。
電動100Vタイプは強力な風が出せるのだが重くて爆音らしく、手軽じゃない…
ということで、以下を条件にして探してみた。
- 手軽に使える軽量ハンディサイズ
- エアダスター缶と同等(以上)の風力
- 繰り返し使える充電式
エアダスターCD071 特徴
中華製も多い市場だが、Amazonレビューなどからサンワサプライ製を候補にした。
1 SANWA 電動エアダスター比較
サンワサプライの充電式にも4種類ほどあるらしい。
その中から「風速が強いもの」2種類を比較検討。
200-CD071 | 200-CD080 |
CD31 |
|
風速 | 約28.2m/s | 約25m/s | 約21m/s |
風速 | 無段階 (21.9~28.2) | 3段階 (21/23/25) | 不可 |
連続使用 | 連続可能
弱16分~強8分 |
連続可能
弱20分~不明 |
連続不可
2-3秒以内推奨 |
逆さ噴射 | 可能 | 可能 | 可能 |
可燃性 | なし | なし | あり |
電源スイッチ | オルタネイト | モーメンタリ | - |
風速スイッチ | 独立ダイヤル式 | 電源兼用 長押し+短押し | |
使用量 | 繰り返し (充電式) | 繰り返し (充電式) | 350ml 使い捨て |
充電時間 | 約5時間 | 約5時間 | - |
音量 | 約99.7dB | 約94dB | 約108dB |
動力元 | 10.8V 2000mAh | 10.8V 2000mAh | CO²+DML |
寸法 | W98×D56×H160mm
(本体のみ) |
W92.5×D63×H167mm
(本体のみ) |
W66Φ×H218mm |
重量 | 387g (ノズルなし) | 376g (ノズルなし) | 228g |
付属品 | ノズル 1種類 | ノズル 5種類 | 細チューブ1本 |
※参考にエアダスター缶(CD31)も並記
2 SANWA 200-CD071の特徴
そして最終的に選んだのが200-CD071という機種。
決め手は次の通り。
- 充電式タイプの中で最大風速 ※サンワサプライ内
- 独立した無段階風速調整スイッチ ※CD080は電源スイッチ兼用で使いにくい
- 吸気口フィルターを外して清掃可
エアダスターCD071 概観
1 開封
全体が無地の白いダンボール包装。
箱の大きさは、およそW170×H108×D61mm。
2 内容
CD071本体のほかに、ノズル1本、充電用ケーブル、取扱説明書が付属。
取扱説明書は A4サイズの紙1枚。
3 外観
全体がホワイト、部分的にブラックの配色。
左面。
右面。
吸気口のある背面。
排気口(吹き出し口)のある正面。
グリップ部分に、操作スイッチとLEDインジケータがある。
ノズルを装着した様子。
ちょっと不安定だがいちおう自立する。(エアー吹き出し時は無理)
4 サイズと重さ
1.エアダスター本体
大きさは約159mm×99mm。
グリップ部分の幅は49mm。
グリップ部分の厚みは50mm。
本体上部の径は約54mm。
楕円の排気口は長手幅が約23mm。
重さは387g。
2.ノズル
長さは約117mm。
先端は円形で、内径は約7.5mm。
重さは5.5g。
3.本体+ノズル
ノズルをセット。
単純に挿し込むだけの構造。
全長は約201mmに。
重さは392.5gになる。
エアダスターCD071 使い方
1 操作スイッチ
1.電源スイッチ
電源のON/OFFはグリップ中央になる押しボタン。
1回押すとONになり、もう1回押すとOFFになるオルタネイト式。
注)ボタン押込みが浅く、ちょっと触れても電源ONになって慌てることがある。
2.風量コントロール
風量コントロールは回転ダイヤル式。
無段階式で ⇦左に回すと風量が増え、右⇨に回すと減る。
3.インジケータ
電源がONになると青色LEDが点灯する。
LEDの点灯数で電池残量をだいたい把握できる仕様。
4.照明LED
電源ONと同時に前照灯LEDがつく。
便利なのだが、LED単独でON/OFFすることはできない。
エアダスターCD071 性能
1 風速
風速を測る。
簡易風速計を用意。
ノズル先端から対象物まで距離を5cmほどに想定。
本体のバッテリーは満充電。
まず、風量コントロールを最大にして計測。
ほぼ安定して25m/s前後の風速。
次に、風量コントロールを最小にして計測。
こちらは19m/s前後。
コントロールを最大にして、風速計の直近でも測ってみたら瞬間30m/sを超えた。
比較のため、エアダスター缶でも同じ計測をしてみた。
エアダスター缶に付属している赤いチューブをほぼ同じ長さにカット。
まず、距離5cmにて計測。
初速は21m/sほどある。
このままなら良いのだが・・・
勢いが続くのは10秒あるかないか。
缶タイプの宿命で、気化熱で缶が冷え始めるとドンドン風速が落ちてゆく。
缶の温度が戻ってから、赤いチューブを外した状態でも測ってみた。
先端径が太くなったせいか最大15m/s台だった。
2 使用時間
持続時間を計る。
風量コントロールはMAX。
勢いで本体が動いてしまわないよう、固定しておくクランプ台を用意。
本体バッテリー満充電で計測スタート。
残量LEDインジケータは3灯とも点灯している。
3分30秒でLEDインジケータが1つ消え、点灯は2つになった。
さらに6分20秒で点灯は1つに。
カタログデータ上の使用持続時間である「8分」が経過。
9分を少し過ぎて、最後のLEDインジケータが点滅を始めた。
そして全LEDが消えてバッテリー切れ。
実測時間は9分30秒ほどだった。
3 充電について
1.充電器の相性
充電器については特に記載が無いが、ちょっと相性問題?があった。
最初に、ANKERのPD充電器 “NanoⅡ(45W)”で充電しようとしたのだが、充電することができなかった(スタートしなかった)。
ちなみにUSBケーブルもAnker製を使用。
次に、RAVPowerの充電器 “Pioneer(65W)”を試してみた。
こちらも、PD充電対応のType-Cポート側では充電ができなかった。
でも、PD非対応のUSB-Aポート側に換えてみると、充電することができた。
特に書かれていないが、PD専用または対応ポートでは充電不可のようだ。
2.充電時間
カタログ公表値では、満充電まで普通USB充電器で約5時間とのこと。
写真⇧ 充電中のLED表示に注目
「急速充電器を使った場合どのくらい短縮できるか?」 を試してみる。
充電がスタートすると、LEDインジケータがサイクル点滅を始める。
50分を過ぎたところで、LED1つが点灯に変わった。(充電状態30%~)
103分を過ぎたところで、LED2つが点灯した。(充電状態60%~)
206分(3時間26分)を過ぎて。LEDが3つとも点灯し満充電となった。
まとめると、
およそ50分で約30%チャージ
およそ103分で約60%チャージ (+53分)
およそ206分で 100%シャージ (+103分) となった。
通常充電器では約5時間かかるとのことだったので、急速充電器で1時間30分ほど時短できたことになる。
ちなみに、満充電を知らせる3灯LEDは、約1分で消灯する。
4 動作音
使用時の音の大きさを測る。
簡易騒音計を用意。
本体との距離を25cmほどに設定。
実験時の室内ノイズは34.9dB。
まず、風量コントロールを最少にした状態。
次に、風量コントロールを最多MAXにした状態。
ピーク計測値は98.4dBだった。
比較のため、エアダスター缶でも計測をしてみた。
実験時の室内ノイズは35.4dB。
エア噴射時は108dBほどになった。
5 メンテナンス
缶のエアダスターと違い、電動式のモノはたいてい周りの空気を取り込んで排気口から吐出させている。
つまり吸気口が汚れていると、そのままゴミやチリが噴射されてしまう。
なので、吸気口まわりを常にキレイに掃除しておかなければならない。
取説図に従って、排気口の黒いカバーを外す。
すると中に、網メッシュが貼られたリング部品がある。
写真⇩ 中央にあるのがフィルター。
このフィルターの網目を掃除してやる。
ブラシなどで擦って掃除してもいいが、これには缶のエアダスターが便利。
エアー缶から乗り換えたいのに、やっぱりお世話になるというオチ。
まとめ
使用感
良いところ
- 小型サイズの割にまぁまぁの風量がでる
- 使用時間8分(強風時)でもデスク周りで困ることはない
- 空き缶のゴミが出ない
良くないところ
- 電源スイッチは保持LOCKもできるモーメンタリが良かったかも
- キーンというモーター音がうるさくdB数値以上に耳障り
- 連続使用すると電池の発熱でグリップが熱くなる (持っているのは可)
- モーター熱によって吐出空気も暖かくなる
- 照明LEDに独立したON/OFFスイッチがほしい
- フィルターを常に掃除しないといけないというストレス
- モーターが最速になるまで(=風量がでるまで)1秒ほど遅延がある
- 満充電まで急速充電器でも3時間半ほどかかる
まとめ感想
さっと使えて何かと便利な缶タイプのエアダスター。
2~3秒の瞬発的なエア圧が欲しいときは手軽で最強と思える。
ただ連続使用が出来ないこと、1本が数百円すること、使い捨てなこと、空き缶ゴミが出ることなどを考えると、エコではないしコスパも悪い。
それなら電動エアダスターが絶対か?
と言えば不便な場合もある。
例えば保護フィルム貼りなどには、クリーンな空気が詰まっている缶タイプが優位。
微細な塵が舞っても問題が無いような場面では充電式エアダスターを、キレイな空気でなければならない場面だけ缶タイプを、という使い分けが最適だと思った。
幾つか並べた「良くないところ」はあくまで個人的な感想(改善要望)。
1台持ってても良い便利ツールには間違いない。