『USB PD 急速充電器』Anker│RAVpower│Aukey│レビュー
近頃よく聞く『 PD充電器』ってなに? から始まった充電器探し。
初スマホを買ったのは確か2009年。
昔の充電器は2.5W(5V×0.5A)~5.0W(5V×1A)くらいが標準だった。
そもそも内臓バッテリーが1500mAh程度の容量だったのでそれでも良かった。
以降、スマホは進化し内臓バッテリーの容量も増え始めると5.0Wを超える給電能力のある“急速”充電器もいろいろ出回った。
そして今や技術は更に進歩し、USB規格の仕様策定する団体USB-IF(USBインプリメンターズフォーラム)によって、従来の20倍、20V×5A=100Wのパワーで高速充電できる『USB-PD』という規格が誕生した。
USB PD= 最大100Wまで電力供給できるUSB国際標準規格(USB Power Deliveryの略)
USB PD充電器の特徴 おさらい
1 PD充電器の特徴
- 従来型5W充電器に比べると給電パワーは20倍の100W
- スマホ以外にもPD充電対応の機器に充電ができる
- USB PD対応機器であれば充電器やケーブルなどが他メーカーであっても共通して使える
- PD充電対応の機器+PD充電対応のType-Cケーブル+PD充電器 ⇒ 3つワンセットで性能発揮
- PDは USB Type-Cケーブルの電源機能の拡張規格なので対応するのはType-Cケーブルのみ
2 PD充電器の注意
- 急速充電にはQC(=Quick Charge Qualcomm社規格)という技術もあるが、USB PDとは別モノで互換性はない
- スマホ本体がPD充電に対応していること
- PD充電対応スマホでも現状は最大 約18Wが限界であること ※100W受電できるスマホは存在しない
- USB Type-CケーブルもPD充電の対応品でなければならない ※対応ケーブルにも3A・5Aなど種類がある
- USB PDの最大給電100Wに対応している機器は未だない ※2020年4月時
3 GaNとは
最近ウワサのGaN半導体。
次世代のパワー半導体と言われている窒化ガリウム(GaN)を用いている充電器は、従来のシリコン半導体の充電器に比べ、高い周波数=短時間でスイッチング作動するため高い絶縁耐圧性と低損失な電力効率をもち、発熱が少なく小型化パーツによってコンパクトに設計できる、とのこと。
専門用語で訳が分からないが、要するに壊れにくくて高性能ってこと。
今から選ぶのなら是非、この最先端なGaN搭載のPD充電器を試したい。
デメリットなど無いに等しいからである。
とはいうものの、難しいことは調べてもすぐ忘れることにしているので、何が大事かと言えばやっぱり最優先は“見た目”である。
どんなに高性能でもブッちゃいくなダッサダサ製品を買う気にはなれない。
あと値段も重要。 ①デザインがイイこと、②安いこと、③コンパクトなこと、この3つがコダワリポイントである。
USB PD充電器 3大メーカー選手権
有名どころ3メーカーから評価の良い機種を選んでみた。
1 Anker PowerPort Atom PD 1
1.特徴
PD対応/30W。GaN採用。
超コンパクトサイズ。
2.感想
1)良いところ
- 小さい。軽い
- 丸っこくてカワイイ
- USB Type-Cケーブル(1.8m ホワイト) が付属している ※Anker PowerLine II
2)良くないところ
- プラグ脚が折りたためない
- 付属のType-Cケーブルの巻き癖がヒドイ
- 色がホワイトしかない
2 AUKEY PA-D3
1.特徴
PD3.0対応/1ポート単独60W~別ポート併用時は45W。
12WのUSB-Aポートあり。GaN採用。
2.感想
1)良いところ
- デザインが好み
- プラグ脚は折りたたみ
- 2つのポートが色分けされていて例えば暗い室内でも差し込み時に視認しやすい
2)良くないところ
- ちょっと重い
3 RAVPower RP-PC105
1.特徴
PD3.0対応/1ポート単独61W~別ポート併用時は45W。
12WのUSB-Aポートあり。GaNは非採用。
2.感想
1)良いところ
- シンプル無垢なデザイン
- プラグ脚は折りたたみ
- 側面外周がカーブ状に凹んでいてコンセント抜き差し時にホールドしやすい
2)良くないところ
- GaN半導体は非採用
- ちょっと重い
4 外観くらべ
並べてみた感じ。
左2機種には通電のインジケータLEDがある。
5 性能比較
各充電器を表まとめ。
比較対象に auオンラインショップ扱いのType-C 2ポート充電器も並記。
Anker | AUKEY | RAVPower | au
R08P002W |
|
最大出力 | 30W | 2ポート合計60W (45+15W) | 1ポート61W 2ポート(45+12W) | 2ポート合計 18W (5V 3A) |
ポート数 | Type-C×1ポート | Type-C ×1 USB-A×1ポート | Type-C ×1 USB-A×1ポート | Type-C×2ポート |
サイズ | (約)幅 35×高41×奥行38mm |
(約)幅 29×高67×奥行64mm | (約)幅 31×高65×奥行65mm | (約)幅 30×高67×奥行67mm |
重さ | 約55g | 約148g | 約149g | 約148g |
GaN (窒素ガリウム) | ◯ | ◯ | × | ◯ |
カラー | ホワイト | ブラック | ホワイト/ブラック | ホワイト |
付属品 | PowerlineⅡType-Cケーブル1.8m | なし | なし | なし |
通電表示 |
- |
グリーン(上部Gマーク部) |
ブルー(暗めの青) |
- |
参考価格 | 3,499円(@Amazon) | 3,980円(@Amazon) | 4,599円(ホワイト @Amazon) | 3,300円(auオンライン) |
電圧/電流テスタ値 | 平均 5.2V / 2.4A |
平均 5.4V / 2.4A | 平均 5.0V / 1.8A | 未測定 |
テスト備考 |
Anker PowerLine II TypeCケーブル使用 |
Anker PowerLine II TypeCケーブル使用 | Anker PowerLine II TypeCケーブル使用 | 本体に auロゴ入り |
※追記…Owltech R08P002W 急速充電器は2020/09時点で auオンラインショップでは在庫無し
USB PD充電器 実測
実際に3機種で充電してみた。
充電のUSB Type-Cケーブルは、Ankerに付属の PowerLine II USB Type-C(最大出力5V/3A 1.8m) を使用。
予備には AmazonベーシックのType-Cケーブル(最大出力5V/3A 1.8m)を用意。
USBテスター(マルチメータ)はこちらを使用「Type-C TC66 」
TC66にはプロトコルトリガーの機能があるが、オフにして計測。
1 Anker PowerPort Atom PD1
平均で5.25V、2.43A で充電している。
プロトコル検出は標準の「DCP1.5」
2 AUKEY PA-D3
平均で5.45V、2.43A で充電している。
プロトコル検出は「DCP1.5」。
3 RAVPower RP-PC105
この充電器は何故か1.4~1.6Aしか流れない。
プロトコルは同じくDCP。
Type-Cケーブルを逆に差し替えてみても、別の3A対応 Type-Cに換えてみても 1.6~1.4A前後のまま。
XPERIA搭載の「いたわり充電」との相性なのかな?
USB PD充電器 まとめ
受電機も今や1つ持っていればOKではなく、携帯用、スマホ専用、別機器と併用など用途と目的で使い分けたり増設したりする必要がある。
PD1は携帯用に良い感じ。
やっぱり軽くて小さいことは重要。
PA-D3は自宅内での充電用に。スマホはPD対応で高速充電できるが、ウォークマンやポータブルスピーカーなどPD非対応の機器もまだあるので、普通のUSB-A併用で2ポートあるのは便利。
わからないのは RP-PC105。
61W高出力を掲げているが1.38~1.62A(15%から100%まで実測)しか給電してくれなかった。
もちろん受け手側のスマホはPD非対応ではある。
何故か、検証の必要あり。
さて、Anker vs AUKEY vs RAVpower の三つ巴選手権の結果は?
一番よかったのは Aukeyの PA-D3 。
2ポートあっても① ② ③ のコダワリ条件をそこそこ満たしているのが理由。
残念なのは重量的にはずっしり重く、例えば壁のコンセントに挿せば自重で少しお辞儀するほど。
またAUKEYにはクレーム事例も多く、耐久性に問題あるメーカーとのウワサも。
様子を見ながら浸かっていくことにする。