太陽光でまわる地球儀『MOVA GLOBE』工作│実験│その手順
ソーラーエネルギーで回転するMOVAグローブ。
その仕組みをDIY工作で再現する実験をしてみる。
DIY 材料
1 構造の確認
MOVAの中身を見たことが無い。
できれば実物を分解して調べてみたいんだけど、自分には高級品なので破壊するなんて勿体なくて出来ない。
中身を紹介しているサイトを参考にさせてもらうと、高性能な太陽電池とモーターを装備したメカが入っている模様。
当たり前だがまったく同じ仕組みはまず無理。
なので「磁石とモーターによる自転」という基本メカニズムの再現だけでも…
というわけで、身近な材料でなるべく安く揃えるように考えてみた。
2 代用材料の準備
写真⇩ DIY工作用の材料と時計修理用ムーブメント。
- 時計用の針セット・・・秒針(軸)だけ使用。 ※秒針のみ販売はないのでセット購入
- ネオジム磁石・・・方位磁石として使用。 ※連結して長さ調節できる小サイズ
- ムーブメント(スイープ式)・・・仕掛けの中心部品。
- マルちゃんのワンタン(カップ)・・・MOVA地球儀部分として使用。
- プラスチック棒・・・MOVAの回転軸(地軸)部品。 ※加工しやすい軽量な非磁性
写真⇩ 実験用MOVAに用いる ワンタンスープ容器と水を貼るためのボウル。
- ボウル・・・MOVAの透明な外殻部分。直径15cm以上。 ※マルちゃんワンタンカップがおさまる大きさ
- テープ等・・・瞬間接着剤や両面テープなど。 ※磁石や支柱を固定する材料
- 電池・・・動力源。 ※ソーラーセルパネル回路は大変メンドーなので乾電池で妥協
DIY 製作手順
1 ワンタンカップMOVAを作る
1.支柱パーツを作る
プラスチック棒からMOVAの回転地軸にあたる支柱を切り出す。
長さは適当でOK、今回は3~4cmにしてみた。
支柱の上側にはネオジム磁石を貼り付ける。
手持ちの磁石が円柱形なので、安定をよくするために支柱先端を丸く凹ませて削った。
切ったり削ったりといった工作このくらい。
あとは接着剤やテープ等で組み立てる。
接着剤とテープを貼り合わせて、
ネオジム磁石(数個の内の1個だけ)と支柱パイプを固定する。
支柱の反対(下側)には、時計の秒針を貼り付ける。
スイープ式ムーブメントなので秒針はスムーズに回転する。
この秒針の軸を台にして支柱を360° 回転させようという作戦である。
支柱(プラスチック)と秒針の台座(アルミ)の固定にはゼリー状瞬間接着剤を使用。
秒針の台座(丸い円盤)があればいいわけだけど、何となく針も残した。
2.ムーブメントのバランス取り
ワンタンカップの中にムーブメントを仮置きし、水を貼ったボウルに浮かべてみる。
乾電池が入ってる側が重いので、ワンタンカップは傾いてしまう。
そこでバランス取りのために、乾電池と反対側に鉛板を両面テープで貼ってみる。
いろいろ試し、15gの板オモリを写真のような貼り方でほぼバランスが取れた。
3.ムーブメントに支柱(秒針+磁石)を立てる
ネオジム磁石は7個連結し 全長70mmにしてみた。
電池を入れたので、この時点で磁石は時計回りに回転している。
4.ボウルに水を貼る
ボウルに水を貼り、ムーブメント入りワンタンカップを浮かべる。
ボウルの水が少ないとワンタンカップの縁がボウル内面に擦れてしまうので、
カップの縁がボウルより上になるまで水位を上げた方が良い。
2 ワンタンカップを浮かべて観察
方位の確認のために、少し離して、コンパスも並べて置いてみる。
水面の揺れがなくなるのを待ってから、磁石がほぼ北を向いている位置を保持して、ワンタンカップを水面に置く。
すると、ネオジム磁石は北を指したまま動かない(ように見える)
ワンタンカップだけが半時計方向に回転する。
連続写真でもワンタンカップの“ラベル” がゆっくり自転しているのがわかる。
まとめ
ぎこちない動きではあるが、ちゃんと再現できた。
磁石はほぼ動かず、カップ(ムーブメント)だけが回っているように見える。
実際のMOVAは外殻の透明アクリル球の中にGLOBE(地球儀)が収まっている。
たぶん特殊なコンパス液が封入されていているので、Globeは外殻には触れることなく(つまり抵抗を受けずに)回転できているはず。
実験ではコンパス液は用意できないので普通の水道水である。
またワンタンカップの素材も発泡スチロールで表面がざらざらなので、ワンタンカップがボウルに触れ擦れると回転が止まったりする。
MOVAの様なスムーズさは、このお手軽材料ではちょっと無理があった。
小学生の頃の理科の授業で「水に浮かべた発泡スチロールに磁石を乗せると、磁石は水面でクルリと動き自然に北の方角を指す」あの実験を思い出した。
今さらながらに、地球の磁場は不思議なものだなあと感心。
マルちゃんのワンタンは美味しかったし、懐かしさも感じたし、なかなか楽しい実験なのであった。