hp OMEN『Citadel Gaming Chair』開封│改良│レビュー
PC作業が多い昨今。
「だらぁんと背もたれを倒してデスクワークの休息をしたい」
それができるゲーミングチェア。
「ゲーミング」と総称されているが、ロッキング&リクライニング付きのオフィスチェアでもある。
2大候補
何十種類も調べまわって、選んだ候補は2つ。
仕様云々はあまり深く考えず「見た目が良さげ」という個人的趣味で選んだ。
1 hp Citadel Gaming chair
第一候補は、今使ってるデスクトップPCと同じブランド。
派手なのはNGなので真っ赤なロゴマークやベルト穴?がちょっと気になったが…
このくらいの挿し色ならOKか。
2 AKRACING Premium Raven Black
第二候補は、TVのCMでも見かけるAKRACING。
中でも Premiumu Raven というモデルは全身まっ黒で中々カッコ宜し。
見た目は断然こっちのが良い感じ。
ただAmazonユーザーさんレビューを読ませてもらうと、「新品なのに傷が多い」「可動部分の故障が早い」など中華クォリティ故のマイナス評価もちらほら。
それに値段もちょっと高価。
3万円台と6万円台……
悩んだ結果、安くてそこそこ評判の良い hp に決定。
OMEN Gameing Chair
1 開封
1.運搬が大変
大きなダンボールで届いた。
ウチの狭い玄関はこの箱でいっぱいいっぱい。
梱包重量は約26kg、重い。
持ちにくい大きなダンボールなので、玄関から室内に運ぶだけでも大変。
上階のウチに運ぶの大変だっただろうなぁ、、
宅配便さんありがとう <m(__)m>
箱にはデカデカとOMENのロゴ。
まず出てくるのが背もたれ部分。
それを取り出すと、座面と脚。
小物パーツは別の小箱にまとめられていた。
2.パーツ構成
大きなパーツは座面と背もたれ。
その他に星形の脚、昇降シリンダー周りのパーツや固定ボルト類。
2 組み立ての下準備
1.表面の保護
チェア部分の材質はPVC。
人工皮革として安い家具によく使われているヤツ、ポリ塩化ビニルである。
有害な可塑剤が入っていることも知られているけど、溶け出す時期まで使い続けてないと思う(たぶん)。
気やすめだけど保護のために、家具やカー用品でも有名な ARMORALL を表面にたっぷり塗り込んでおくことにした。
塗って拭きあげて乾燥、また塗って拭きあげて乾燥、を30分から1時間の間をあけて3回繰り返した。
ちなみアーマオールの説明書にも「初回は3回塗れ」と書いてある。
塗り終えるとぴかぴか光沢感がでているのが判る。
お面マーク(赤)部分は刺繍の縫い込みになっている。
ヘッドレストの部分で汚れそうなので、予め防汚防水スプレーで気持ち程度でも保護しておく。
2.取説のチェック
説明書は英語表記だが、カラーのイラストもあるし、そもそも部品数は多くないので難しくはないはず。
念のため作業の流れを確認。
3 組み立ての手順
1.5本足キャスター
英語では 5-starキャスターと呼ぶらしい。
取説の手順では6番目になっているが、一番初めにコロコロしてみたかったので、真っ先に組んだ。
作業はカンタン。ただ差し込むだけ。
ファイブ・スターのコロコロキャスター。
2.座面+背もたれ
取説の1番に戻って、リクライニング部分の金具を組み付ける工程。
1)M8ボルトを外す
製品に予め、M8ボルト(六角穴 キャップヘッド8mm)が仮止めしてある。
左右2本ずつ、計4本。これをまず外しておく。
ワッシャも必要なので、M8ボルトとセットにしておく。
2)背もたれを取り付ける
座面部分を床に置き、背もたれ部分を左右リクライニング金具の間に収まるように、慎重にはめ込む。
背もたれ部分は重量があるので、力がいる工程の1つ。
3)M8ボルトで固定する
左右差し込めたら、先ほど外したM8ボルト&ワッシャをねじ込んでいく。
背もたれがグラグラするので、倒して怪我をしないように注意。
左右のどちらかの、2本のM8ボルトを2本とも差し込む。
そして少しだけネジを締める。(少しだけで、本締めはしない)
それから反対側の2本のM8ボルトをねじ込む。
4本ともネジが取り付けられたら、改めて、1本ずつ本締めしていく。
4)サイドカバーをつける
リクライニング金具を覆う化粧パーツのようなプラスチック部品。
別梱包されていた M6ボルトで、リクライング金具のネジ穴に取り付ける。
サイドカバーは左右で若干カタチが違うので、取説図をよく見て確認。
3.ベース金具と座面パーツ
1)座面の固定ボルトを外す
座面の裏にM8ボルト4本が仮止めされているので、この4本を外す。
2)ベース金具ユニットを取り付ける
先ほど外したM8ボルトでベース金具ユニットを固定する。
複数ボルトを締める時の基本、Zの順番か Иの順番で締めていく。
Пこういう順番は締め込み力に偏りが出るので避ける。
4.昇降ガスシリンダー
キャスター脚の中央に 昇降ガスシリンダーを立てる。
その上からシリンダーカバー(伸び縮みする円筒形プラスチック部品)をかぶせる。
最後に、組みあがったチェア部分をキャスター脚のシリンダーに差し込むのだが、実はここが一番大変だったりする。
乗せる際に下のキャスターが動いてしまうし、シリンダーに差し込むまで持ち上げてるのが重いし。
サポートしてくれる人が他にいれば安心かも。
4 完成
側面の様子。
付属品の「ヘッドレスト」と「ランバーサポート」(どちらもクッション)を取り付ける。
好みだけど、自分の体格と高さが合わないので、ヘッドレストは不要に感じた。
5 サイズ測定
ヘッドレストまでの全高は 約133cm。
背もたれサポートの全幅は 約60cm。
座面サポートの全幅も 約60cm。
実際に座る座面は最大で 幅約45cm×奥行約50cm。
※全て実測値
座面高の問題
完成したゲーミングチェアは当然このまま座って使うもの。
しかし、自分のような足の長くない人間はちょっと使い辛い点がある。
それはチェア座面の高さ。
カタログ上のデフォルト座面高は最低 45cmと記されている。
ところがどっこい、実際は最低高さでも約 49.0~49.5cmもある。
座面の一番前のちょうど膝裏があたる中央部分で座面の高さを測っている。
カタログ数値はいったいどこの数値だろう??
とにかく実際に座ってみると45cmではなく49cm。
座れば踵が完全に浮いちゃうのである。
チェアに座ったまま移動したい場面を考えた時、
動かす重さが=自分の体重とチェア重量になるわけで、踵が浮いた状態(つまり)つま先だけでチェアを移動するのは結構もどかしくなる。
これは大問題である。
そこで対策を考えることにした。
対策1
このhp チェアのキャスターホイールは75mm径である。
ホイールと軸先を合わせると高さは約 85mmになる。
これを交換して座面ダウンを計る。
1.ホイールの数と径
1)ホイールの数
直径の他に、もう1つ注意したいのは1つ1つのキャスターにある、車輪の数。
シングルのモノとツインのモノがある。
一般的オフィスチェアならシングル車輪でもOKかも知れないが、重量のあるゲーミングチェアにはツイン車輪を選ぶのが吉◎
椅子の移動時などの安定感が違う。
2)ホイールの直径
キャスター径については、60mm 70mm 75mmと各サイズ 色々なメーカーから販売されている。
ツイン車輪のキャスターで一番最小径なのは、たぶん60mm。
今回は AXL GLOBAL という台湾メーカーの60mm径ツインを選んでみた。
たった15mmの差でも、並べてみると違いが判る。
カタログ値通り、ホイール径は60mm。
軸部分まで合わせると65mm。
2.キャスターを交換する
作業はとてもカンタン。
元のキャスターを引き抜いて新しいキャスターを差し込むだけ。
まだ買って新しいこともあって、キャスターが脚台座に固着しているようなことはなく、両手で引っ張れる程度の力で出来た。
85mmだった床との距離は、70mmになった。
つまり15mmのダウン。
ちなみに、キャスター径を小さくすることでマイナス面も1つある。
それは床面の段差に弱くなること。
例えばチェアマットだったりカーペットだったりの段差を乗り越える時、大径ホイールよりは引っかかりを感じる。
対策2
キャスター径を小さくしても、まだ座面の高さは約 47.5~48cmある。
体重を前にかければ何とか踵は着く・・・が、まだ違和感がある。
楽に踵が着かないようなイスに長時間座っていると、太もも裏の血流が悪くなり、足がむくんだり痛んだりもする。
あと数センチ、できれば5cmくらい下げられたらベスト。
他の対策はないかと考えて、2つの案を思いついた。
その1 昇降シリンダー
その1つは昇降ガスシリンダーの交換。
上げたり下げたりする装置 “シリンダー本体”、この長さを変えてしまうという作戦。
各社から「短尺」「中尺」「長尺」と長さの違う3種類ラインナップされている。
これを換えると、シート全体の最低値~最高値が変えられるのである。
残念ながらhp にはそういうパーツ供給がないようなので、他社製チェア部品の流用を検討した。
しかし調べてみたら、どうやらこのhpチェアは元から “短尺サイズ” に近いシリンダーだと判明した。
ということは、無理して他社製に交換しても誤差か数ミリ程度しか変化が無いということになるので、この案は却下。
その2 フットレスト
もう1つがチェア側じゃなく、足乗せ台つまりフットレストを置いちゃうという案。
デスクの下に置きっぱなしにしておけば、邪魔にもならないし、必要な目的はほぼ満たせるのではないかと考えた。
選んだのがこちら。
AIS というメーカーの玄関台 GF-6015。
木製(パイン材)で大きさは約 幅60cm×奥行30cm×高15cm。
商品名は『玄関台』となっているが、これを室内で足乗せ台として使う。
高さを微調整できるネジ式の足がついているが、低くしたいので木製台のみで使用。
ちなみ「高15cm」とあるのは台のみの高さ。ネジ足は含まれない。
1.踏み台の設置
デスク下に置いてみた様子。色は焦げ茶っぽいブラウンカラー。
なぜ内側の寸法を確認をするのか?
チェアをデスクに片付ける時、フットレスト天板下にキャスターが入るからである。
この余裕が無いと脚部がぶつかって、チェアをデスク寄りに片付けられない。
hpチェアのキャスター脚の上部の高さは約 11cm。
このAIS台の天板裏と床の隙間は13cm。
なので、キャスターを転がしてデスクのまで移動させても、干渉しないで片付けることができる、というわけである。
2.フットレストの高さ問題
キャスター脚とフットレストの干渉問題は解決できた。
しかし「高すぎる座面をあと数センチだけ下げたい」という本来の目的かららすると、この台の15cm高はちょっと高すぎクンだったりする。
もちろん使う人の身長によるが、自分には少し高い。
チェアに座りながらフットレストに足を預けたい時に、ワン・アクション大きな動作で乗せなければならない。
これを解消するためには、できればフットレストの高さは10cm以内、5~8cmくらいがちょうど良かった。
※体格による個人感
こちらはKIRIGENというブランドの木製台。
寸法は 幅390×奥行240×高さ85mm。
問題もあった。
天板下の隙間(内法)が6.0cmほどしかない。
ゆえにチェアを片づける時にキャスター脚(高11cm)が入らないのである。
チェアをデスク下に片付ける時に、毎回フットレスト片付けるか・・・
それとも数センチ高すぎるのを我慢して置きっぱなしに出来るフットレストにするか・・・
悩んだ末に、幅600×奥行360×高さ154mmこれ⇩を愛用中。
まとめ
良かった点
- チェアの座り心地はとてもいい。
- 座面の横幅が45cmあって広い。
- アームレストを広げれば胡坐もできる(小柄なら)
- リクライニングとロッキング機構は便利。
これならソファ代わりに寝られるというのは噂通りである。
良くなかった点
- 固定状態(ロッキング固定)にしていても金具部分にアソビがあり、体重をかける可動部分からガチャガチャ音がする。
- アームレストの固定にも「アソビ」があり特に左右方向にはガチャつき音がする。
- 体勢を変えようとアームレストに体重をかけるとアームレスト角度がすぐ動いてしまう。
- やはり座面が高すぎる。
hp 製も含めて多くの海外ブランド製品は、たぶん靴を履いて座る前提の商品ではないかと想われる。
設計上の平均身長&座高なども違っていて日本人向けではない。
ちなみにもう1つの購入候補だった AKRACING Raven Black。
こちらの商品説明には「最低時の座面高さ=36.5cm」とあるが、Amazonのユーザーさんレビューによれば座面前の高さは47cmあるようだ。
まとめ感想
hp OMEN のゲーミングチェアはコスパの良い製品といえる。
中華ブランドにありがちな、縫製や金属加工が雑だったり、傷物パーツが混ざっていたりすることは無かった。
残念なのは座面の高さ である。
リクライニングやアームレストが動くことがセールスポイントになっている商品が多いが、くつろいでいる時間より座って仕事してる時間の方が圧倒的に多い。
その座っている時間が長ければ長いほど、座面の高さが大事になってくるわけで、もっと座面の高さにもっとこだわって探すべきだった。
身長や体重にもよるので一概には言えないが、座面の高さは45cm未満が良い。
低すぎる、という事態にはまずならない。
昇降シリンダーの操作で約10cmは上げることもできるし、座クッションを敷くことで調整もできるし、低いのを高くする方法はいくらでもある。
しかし 高すぎる座面は下げる限界がある ということである。
小柄な人は要注意。