tomica『LUNAR CRUISER』ネジ加工の方法
“トミカプレミアム”シリーズの『07 ルナクルーザー』。
前回アンテナ工作でボディ裏のカシメ(加締め)を削りとったが、そのままではボディがバラバラ。
なので固定するためのネジ加工に挑戦した。
ボディの加工
1 固定方法
加締め(カシメ)部分を削り取ってボディを分解できるようにした前回。
カシメのピンになっていた丸い突起がそのまま残っている。
このまま接着してしまう案もあるが、また分解したくなった時に困る。
そこで分解と組み立てが自由にできる様に、ビス固定をすることにした。
固定するのは、2か所のカシメ部分。
この丸い突起の直径が約2.7mmなので、やや細い2mmのビスにしようと考えた。
2 加工の準備
1.タップ
2mmネジを締め込むためのネジ穴を作る。
用意する工具はネジ溝を作る“タップ”と呼ばれるネジ切り刃。
説明書によれば「下穴は1.6mm」とあるので1.6mmの鉄工用ドリル刃も用意。
写真下⇩ 中央が1.6mmドリル刃、右端が2mmネジ用タップ刃セット。
2.ビスの種類
ネジ頭の形は丸頭(ボタンヘッド)。
チタン製にしたのは軽くて錆びないことと、ダイキャストの色に似ているから。
六角レンチ用にしたのは作業性の好み。
ネジ長さについては、シャシー底面厚みが1.5-2.0mmくらいなので、4mmあれば十分にカシメ柱まで届くと判断。
あまり長いビスだと、下穴(1.6mmドリル)も深くしないといけないので注意。
3 加工
1.下穴
ネジ穴“タップ”の説明書にそってドリル刃1.6mmを用意。
木工用ではなく鉄工用で。
下穴の深さについてはだいたい5mmくらいにする。
長さ4mmビスなら、実際はシャシー厚を引けば2mm程しかネジ穴に入らない。
しかしギリギリではタッピング作業ができないので、少し深めに下穴を開ける。
深さ約5mmの下穴あけ完了。
2.タッピング
タップ切り刃は「粗削・中仕上げ・仕上げ」3種類セット品を用意した。
またタップ切り刃のホルダーはTAMIYAのピンバイスで代用。
トミカボディのダイキャスト(鋳造合金)はそれほど硬い金属ではなく、また開ける穴も細いので、電気ドリルを使わなくてもピンバイスで十分に作業できる。
ちなみにタップ刃の軸径は3mm、ピンバイスも2.5~3.2mm用のモノ。
初めは「粗削り」用をセット。
下穴の底までおよそ4-5mmネジを彫る。
1回転ほど進めて少し戻し、また1回転ほど進めて少し戻し、という感じで少しずつ溝を切る。
硬いと感じるようなら切削油を少し塗ると良いが、トミカ車体の塗装を侵してしまうかも知れないので、あくまで少量に。
注意点は、底までタップが進んだら、それ以上に更に回し過ぎないこと。
下穴の深さ以上にタップできないのは当たり前。
それを無理に回すと、せっかく作ったネジ溝を潰してしまう。
「粗」「中」「仕上げ」と段階的にタッピングする。
3.確認
削り粉をていねいに掃除する。 ⇦ここが大事
ネジ穴にゴミが無いことを確認してから、ボタンヘッドのビスを仮締めしてみる。
奥までボタンヘッドネジが入ればネジ切り完了。
ボディの固定
六角穴つきボタンビスなので、六角棒レンチを用意。
力を入れて捻じ込む場所でもないので、手で締めるだけで十分。
これで分解、組立、いつでもOKである。
まとめ
揃える工具がいろいろ必要だったが、作業は割と簡単だった。
ダイキャストのボディがアルミ合金?で柔らかいこと、
開けるネジ径が細いのであまり力が要らないこと、が理由だと思う。
そうそう頻繁にボディを開けたり閉じたりするわけではないが、後々に内部を改造したくなったりしたときにも便利である。