『GoPro HERO10 急速充電器 & USBケーブル 』比較│レビュー
GoProのリチウムイオンバッテリーを充電する時に必要なモノ。
もちろん充電器とUSBケーブル。
仕様書や取説を見ると、GoPro公式アクセサリーの”スーパーチャージャ”や純正USBケーブルを標準に書かれている。
もし社外品=サードパーティ製の急速充電器やUSBケーブルならどうなのか?
それを試してみた。
急速充電器 ×3機種
急速充電器は下記3機種を用意。
標準にするのは公式アクセサリーのSuper Charger。
その他にGaN搭載のコンパクト急速充電器を2機種ピックアップ。
- GoPro公式 Super Charger (左)
- Maktar GaN Fast Charger (中央)
- RAVpower PC133 Charger (右)
1 GoPro SUPER CHARGER
先ずはゴープロ公式アクセサリーの急速充電器。
1.仕様
Super Charger | |
出力 | 2ポート合計 最大27.5W |
出力ポート 2口 | USB-A (5.1V/1.5A) |
USB-C (5.1V/3A 5.5V/3A 12V/1.67A) | |
充電プロトコル | 非公開 |
ACプラグ | 変換アダプター (A、BF、C、O、SE) |
大きさ | 75×57×30mm |
重さ | 120g (プラグによる) |
2.開封
充電器本体(一番下)の他、6つの変換プラグが同梱されている。
取扱説明書は無し。
安全注意書が入ってるだけ。
3.変換プラグ
充電器に装着する変換プラグの一覧。
日本国内用ももちろん付属。
日本ではAタイプと呼ばれる「┃┃」の形。
この同じカタチの変換プラグが2種類入っているので注意。
よく見てみると左側は「125V」、右側は「250V」と表示がある。
日本では100Vなので「125V」の方を使う。(250Vは中国用)
セットは簡単、挿し込むだけ。
4.外観
表面はツヤ消しマット仕上げ。
右側面にはGoProロゴがある。
左側面。
プラグ部を起こした状態。
正面には2つのポート。
上がUSB-TypeC、下がUSB-A。
⚡マークはQuickCharge?
背面に折り畳み式プラグがくる。
5.大きさと重さ
高さ(約)75×奥行56mm。
厚みは約30mm。
プラグ込みの重さは119.5g。
充電器本体のみは104g。
プラグ部が15.5g。
2 Maktar GaN Fast Charger
2つめは、MaktarというメーカーのPD急速充電器。
1.仕様
Maktar GaN |
|
出力 | 3ポート合計 最大66W |
出力ポート 3口 | ×1ポート 最大65W (TypeC-1 or C-2) |
×2ポート 最大63W (TypeC-1 45W + A 18W) | |
×3ポート 最大66W (TypeC-1 30W + C-2 18W + A 18W) | |
充電プロトコル | PD3.0/PD2.0 QC3.0/QC2.0 AFC FCP Apple2.4A PPS SCP |
ACプラグ | アダプター変換 (C、O、SE) |
大きさ | 50×50×30mm |
重さ | 115g |
2.開封
『国際変換アダプタセット』を購入するとダンボール箱が届く。
ダンボール箱を開けると、チャージャー本体と変換アダプターセットが別々のパッケージで入っている。
充電器パッケージの内容。
本体の他に、説明書と携帯巾着袋がついている。
説明書は、英語、中国語、日本語。
充電コーデックなど、きちんと仕様表記されている。
3.変換プラグ
別パッケージにまとめられている変換プラグのアダプター。
充電器は初めから日本国内用のAタイプになっている。
それに付け加えるカタチで、3種類の変換アダプターが用意されている。
海外用は使う予定がないのでパッケージは開封しないでおく。
4.外観
左側面Ⓜマークのロゴ。
右側面は無地。
正面にはポートが3つ。
上2つがUSB-TypeC、下1つがUSB-A。
背面には折り畳み式コンセントプラグ。
プラグを起こした状態。
底面。
5.大きさと重さ
縦横の大きさは約53×53mm。
厚み30.7mm。
重さは107g。
3 RAVpower GaN PC133
3つめは、スマホ充電にも活用中のRAVパワーPD急速充電器。
メーカーサイト ➾ こちら。
1.仕様
RAVpower PC133 | |
出力 | 2ポート合計 最大65W |
出力ポート 2口 | ×1ポート 最大65W (TypeC) |
×2ポート 最大63W (TypeC 45W + A 18W) | |
充電プロトコル | PD3.0/PD2.0 QC3.0/QC2.0 Samsung-AFC Apple |
ACプラグ | アダプター変換 (C、O、SE) |
大きさ | 55×55×32mm |
重さ | 115.5g |
2.開封
充電器本体と、蛇腹折りの説明書。
簡易版ではあるが、JP(日本語) EN DE FR ESで書かれている。
3.外観
左側面。
全体的にマットな仕上がり、ロゴはプリント。
左側面には、掘りロゴの「65」。
正面には2つのポート。
上がUSB-A、下がUSB-TypeC。
背面。
折りたたみ式プラグを閉じた状態。
プラグを起こした状態。
底面。
4.大きさと重さ
縦横の大きさは約55×55mm。
厚みは約32mm。
重さは115g。
USB-C ケーブル ×4本
充電用USBケーブルは下記4種類を用意。
基準にするのはGoPro純正品のUSBケーブル。
1番はSuper Chargerの付属品。
3番はHERO10の付属品。
他の2本は社外品。
- GoPro 純正 USB-C ↔ USB-C
- Anker USB-C ↔ USB-C
- GoPro 純正 USB-A ↔ USB-C
- UGREEN USB-A ↔ USB-C
1 USB-C to USB-C
1.GoPro純正
GoPro公式アクセサリーのUSB-Cケーブル。
スーパーチャージャーの付属品で、たぶん単品販売はされていない。
コネクタには純正品の証GoProロゴ。
なかなかクセがとれないほどケーブルは硬め。
径は約4.5mm。
長さはケーブル部分(コネクタ除)のみで約48cm。
写真⇩ 下側がUSB-C↔C、上側がUSB-A↔C (どちらもGoPro純正ケーブル)
重さは18g。
2.Anker
アンカー社の『PowerLine II USB-C 3.1 (Gen2)』ケーブル。
PD=PowerDelivery 最大100W(5A)まで対応。
コネクタにはANKERのロゴ。
ケーブルの太さはGoPro純正品とほぼ同じ。
径は約4.6mm。
クセが付きにくく柔らかい。
ケーブル部分の長さは約85cm。
重さは43g。
2 USB-A to USB-C
3.GoPro純正
GoPro HERO10カメラ本体に付属のUSBケーブル。
コネクタにはGoProロゴ。
ケーブル径は3.6mm。
上記のGoPro純正USB-C↔Cケーブルに比べると柔らかめ。
長さはケーブル部分のみで約37cm。
重さは16.5g。
4.UGREEN
ユーグリーン社の『USB3.0 A to C』ケーブル。
USB3.0 Quick Charge 3.0/2.0 最大3Aまで対応。
今回用意した4本中で唯一の金色メッキ端子。
ケーブル径は4.25mmで柔らかめ。
クセがつきにくい、ナイロン編み仕上げ。
長さはケーブル部分のみで98cm。
重さは31.5g。
充電テスト
上記の急速充電器×3機種とデュアルバッテリーチャージャー(以降 DBチャージャー)を、4本のUSBケーブルを交換しながらつなぎ、実際の”充電電力”を調べる。
充電対象はEnduroバッテリー。
1 機器の準備
使用する機器とUSBケーブル。
2 USBマルチメータ
電流値の計測にはマルチメータが必要。
設定や使い方の過去記事は ⇒ こちら。
USBケーブルに流れる電流値を調べるので、USBマルチメータはDBチャージャーのインポート側に設置。
3 GoPro Super Charger + DB Charger
まず初めに、GoPro公式アクセサアリーのSUPER CHARGERから。
テストするUSBケーブルの順番は、左から
①GoPro USB-C ②Anker USB-C ③GoPro USB-A ④UGREEN USB-A
SUPER CHARGERをコンセントに挿す。
特に通電を知らせるLEDなどは無し。
1.GoPro純正 USB-C-↔USB-C
充電初期の計測値は「5.39V、1.81A」
2.ANKER USB-C↔USB-C
充電初期の計測値は「5.33V、1.83A」
3.GoPro純正 USB-A↔USB-C
充電初期の計測値は「4.97V、0.90A」
4.UGREEN USB-A↔USB-C
充電初期の計測値は「4.97V、0.90A」
4 Maktar GaN Fast Charger + DB Charger
次は、MaktarのPD充電器。
コンセントに挿すと、淡いブルーの通電インジケータが点灯。
1.GoPro純正 USB-C-↔USB-C
充電初期の計測値は「4.86V、1.93A」
2.ANKER USB-C↔USB-C
充電初期の計測値は「4.79V、1.93A」
3.GoPro純正 USB-A↔USB-C
充電初期の計測値は「5.00V、0.45A」
4.UGREEN USB-A↔USB-C
充電初期の計測値は「5.00V、0.45A」
5 RAVpower GaN PC133 + DB Charger
最後はPAVpowerのPD充電器。
コンセントに挿すと、ブルーの通電インジケータが点灯。
1.GoPro純正 USB-C-↔USB-C
充電初期の計測値は「5.06V、1.89A」
2.ANKER USB-C↔USB-C
充電初期の計測値は「4.99V、1.91A」
3.GoPro純正 USB-A↔USB-C
充電初期の計測値は「5.07V、0.45A」
4.UGREEN USB-A↔USB-C
充電初期の計測値は「5.07V、0.45A」
まとめ
1 結果
まとめると下記の通り。
GoPro
Super Chager |
Maktar
Fast Charger |
RAVpower
PC133 |
|||
ケーブル名 | 仕様 | 長さ | |||
GoPro C↔C | 未公開 | 48cm | 5.39V 1.81A | 4.86V 1.93A | 5.06V 1.89A |
Anker C↔C | 5A | 85cm | 5.33V 1.83A | 4.79V 1.93A | 4.99V 1.91A |
GoPro A↔C | 未公開 | 37cm | 4.97V 0.90A | 5.00V 0.45A | 5.07V 0.45A |
UGREEN A↔C | 3A | 98cm | 4.97V 0.90A | 5.00V 0.45A | 5.07V 0.45A |
2 順位
電圧(V)×電流(A)の電力値で比較。
1位🏅は GoPro公式 SUPER CHARGER+GoPro USB-C↔Cケーブル(9.7559)
2位🥈は GoPro公式 SUPER CHARGER+Anker USB-C↔Cケーブル(9.7539)
3位🥉は RAVpower PC133+GoPro USB-C↔Cケーブル(9.5309)
以降、4位は RAVpower PC133+Anker USB-C↔Cケーブル、
5位と6位は Maktar+2種類のUSB-C↔Cケーブルとなった。
1位と2位は僅差、誤差の範囲かもしれない。
GoProのSUPER CHARGER+付属品USB-Cケーブルという、純正同士の組み合わせが最も電力が高かった。
1.PD充電について
SUPER CHARGERの仕様は判っていないが、PD充電ではないと想われる。
USBマルチメータでは「QuickCharge2.0」プロトコルを検出していた。
RAVpowerとMaktar については、どちらもPD充電器なのであるが、やはりPD充電をしていなかった。
つまり「GoPro側がPD充電を受けつけていない」ということになる。
写真⇩ SUPER CHARGER充電時のプロトコル検出
2.USB3.0ポートについて
USB3.0ポート基準で各社充電器を比べても、SUPER CHAGERがトップだった。
3.USB-Cケーブルについて
ちょっと予想外だったのがGoPro付属品のUSBケーブル。
評価の良いAnkerのUSB-Cケーブルを上回る計測結果になった。
GoProの付属ケーブルは硬くてクセが直らず扱いにくいので、今回テスト次第で他社製ケーブルを使おうと思っていたのだが・・・侮れない結果となった。
ただ、USB-Cケーブルは「短ければ短いほど良い」というのが常識なので、約1.8倍も長いAnkerが不利だった可能性もある。
まとめ感想
テストは何度か試したが、1/100以上の計測値(初期電圧電流)は同じだったので、この3機種の中ではSUPER CHARGERが一番なのは間違いなさそう。
これを上回る他社の急速充電器があるのかも知れないが、未だ不明。
現状、GoPro純正のリチウムイオンバッテリーを”急速充電”するなら、
公式SUPER CHARGER+付属の純正USB-Cケーブルを選んでおけば間違いなし、ということである。