【充電機器】GoPro公式 “Enduro & Standardバッテリー” 持続時間│実測テスト

機器

GoPro公式Enduro vs Standard撮影時間 比較│レビュー   

 

お散歩カメラとしてタイムWarp&Lapseカメラとして大活躍のHERO10

 

しかし温度問題という弱点もあったりする。

 

GoPro HERO10の温度問題とは・・・

  1. 熱くなるとすぐ止まる
  2. 寒くなったら動かない

というもの。

 

特に寒冷地で「起動しない」「撮影が短い」というレビューがあって、それはリチウムイオンバッテリー側の問題らしい。

 

そこでGoPro社が後出しリリースしてきたのが”Enduro”という新バッテリー。

 

GoPro公式バッテリー

 

 

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Enduroバッテリーとは

公式サイトを読むと、通常の標準バッテリー(品番:ADBAT-001)に比べて下記の違いがあるらしい。

 

  • 低温環境下でのパフォーマンス向上
  • 長くなった撮影時間 (5.3K60fpsで28%~4K120fpsで40%向上など)
  • フル充電も高速 (最大13%短縮)

 

1  仕様比較 (公式)

Enduro Standard
大きさ(実測) 40.8×33.4×13.25mm 40.8×33.4×13.25mm
重さ(実測) 31.9g 32.0g
カラー ブラック×ホワイト ブラック×ライトブルー
電池容量 1720mAh 1720mAh
充電電圧制限 4.4V 4.4V
撮影可能時間 25℃下 -10℃下 25℃下 -10℃下
  5.3K 60fps 60分 56分 48分
  4K 120fps 51分 50分 40分
  4K 60 fps 71分 76分 72分

※HyperSmooth標準

 

2  撮影時間 (公式)

例えば “4K/120fps” で両バッテリーを比べてみると、

51分(Enduro)÷40分(Standard)=1.275 。

 

エンデューロの方が27.5%の性能UPになっている。

 

公式の説明文では「4K120ビデオ:51分 (40%延長)」とも書かれていてちょっと計算が合わないのだが、性能向上は事実らしい。

 

40%なのか、28%なのか?

 

実際にEnduroバッテリーの性能を計測テストしてみることにした。

 

 

Enduroバッテリー 開封

1  パッケージ

とりあえず開封。

 

パッケージは標準バッテリーと同じ大きさ。

 

2  外観とサイズ

同じHERO10/9用のバッテリーなので、当然サイズも同じ。

 

重さはほぼ同じ。

 

0.1gの差は…中身が違うのか、誤差なのか。

 

 

Enduroバッテリー 撮影テスト

Enduroバッテリーと標準Standardバッテリーの、実際の撮影時間を比べる。

 

まずは、Enduroバッテリーから。

 

1  常温下テスト

気温28℃前後の室内で連続撮影をする。

 

1.準備

HERO10Enduroバッテリーの他に、温度計、風速計、卓上ファン。

 

室内でのテストのため、まったく空気の流れが無いとオーバーヒートしそう。

 

なので少し工夫する。

 

屋外のウォーキング撮影などでは自然に風があたるはずと考え、人が歩く速さ相当の風を当ててやることにする。

 

平均で約4.5km/hと言われている。

これを換算して 1.25m/s前後の風をカメラに当ててやる。

 

今回は熱暴走の時間を計りたいのではなくバッテリーの性能テスト。

なので、なるべく撮影が途切れない様にバッテリードアを開放して計測。

 

また、手振れ補正機能を「OFF」にすると電池の持ちが良いのだが、実際いつも利用するので、頻度の多い手振れ補正「Hyper Smooth」に設定した。

 

 

2.カメラ設定

  • 動画モード「4K 120fps」
  • 手振れ補正「Hyper Smooth」
  • Bluetooth「オン」
  • スリーブカバー「なし」
  • 温度湿度「気温28℃、湿度50~55%」
  • 送風「1.2~1.3m/s」

 

3.動画撮影

1)10分後

撮影開始から10分ほど経過。

 

バッテリー残量は83%。

 

2)20分後

バッテリー残量63%。

 

3)30分後

バッテリー残量44%。

 

4)40分後

バッテリー残量24%。

 

5)45分後

45分を過ぎて、高温のためHERO10シャットダウン。

 

本体はずっと持っていられないないほどの高温になっている。

 

撮影開始とともにカウントしているストップウォッチを確認。

 

正確なシャットダウン時間は45分47秒。

 

30秒ほど待って強引に撮影再開。

 

時間経過はストップウォッチで継続。

 

バッテリー残量が 1%になってきた。

 

ここで電池切れ。

 

トータルの撮影時間は52分01秒だった。

 

2  低温下テスト

低温環境を作るため、冷凍庫内にて連続撮影。

 

庫内は―5℃以下(下限-10℃まで)になる様に設定。

撮影中は冷凍庫の扉を閉め、10分毎の記録時だけ扉を開けて写真撮りをした。

 

1.準備

HERO10Enduroバッテリーの他に、温度計と”Quickアプリ“を準備。

 

Quickは冷凍庫内のHER010の動作状況を監視するために使用。

Quickアプリについての過去記事は ➾ こちら

 

HERO10Enduroバッテリーは、予め-5℃で10分ほど冷やしておいた。

 

2.カメラ設定

  • 動画モード「4K 120fps」
  • 手振れ補正「Hyper Smooth」
  • Bluetooth「オン」
  • スリーブカバー「なし」
  • バッテリードア「閉」
  • 温度湿度「冷凍庫内マイナス5~マイナス9℃、湿度33~58%」
  • 送風「なし」

 

3.動画撮影

冷凍庫内にカメラを置いて扉を閉める。

 

正常に動いているかの確認はQuickアプリで。

 

1)10分後

撮影開始から10分ほど経過。

 

バッテリー残量は83%。

 

2)20分後

バッテリー残量63%。

 

3)30分後

バッテリー残量44%。

 

4)40分後

バッテリー残量29%。

 

5)50分後

バッテリー残量 4%。

 

6)55分後

55分が経過。

 

冷凍庫内のHERO10を記録しようとしていたところ、バッテリー切れの表示に。

 

再起動して電池残量を確認。

 

55分と23秒で完全に電池切れとなった。

 

 

Standardバッテリー 撮影テスト

次はStandardバッテリーの持続時間。

 

1  常温下テスト

気温28℃前後の室内での連続撮影。

 

卓上ファンで散歩スピードの風を当ててやる条件も同じ。

 

1.準備

HERO10と標準バッテリーの他に、温度計、風速計、卓上ファン。

 

2.カメラ設定

  • 動画モード「4K 120fps」
  • 手振れ補正「Hyper Smooth」
  • Bluetooth「オン」
  • スリーブカバー「なし」
  • 温度湿度「気温28℃、湿度50~55%」
  • 送風「1.2~1.3m/s」

 

3.動画撮影

1)10分後

撮影開始から10分経過。

 

バッテリー残量は74%。

 

2)20分後

バッテリー残量45%。

 

3)30分後

バッテリー残量15%。

 

30分を過ぎてすぐに高温のためHERO10シャットダウン。

 

すぐに再起動、撮影再開。

 

この時のバッテリー残量は12%。

 

またすぐにシャットダウン。

 

経過時間は33分38秒。

 

撮影を再々開・・・

 

4)35分後

経過時間35分26秒で、バッテリー残量が1%に。

 

どこまで行けるか。

 

ここで電池切れ。

 

トータルの撮影時間は36分43秒だった。

 

2  低温下テスト

同じく、冷凍庫内にて低温環境の連続撮影。

 

設定も同じく―5℃以下(-10℃まで)。

10分ごとに冷凍庫の扉を開けて記録写真撮り。

 

1.準備

HERO10Standardバッテリーの他に、温度計と”Quickアプリ“を準備。

 

2.カメラ設定

  • 動画モード「4K 120fps」
  • 手振れ補正「Hyper Smooth」
  • Bluetooth「オン」
  • スリーブカバー「なし」
  • バッテリードア「閉」
  • 温度湿度「冷凍庫内マイナス5~マイナス9℃、湿度32~52%」
  • 送風「なし」

     ※Enduroバッテリーテストと同条件

 

3.動画撮影

Enduroバッテリーと同じ環境下にてテスト。

 

冷凍庫内での撮影中はQuickアプリで動作を確認。

Quickアプリとのリンクが途切れることで、電源落ちを検知する方法も同じ。

 

1)10分後

動画撮影開始から10分が経過。

バッテリー残量は74%。

 

2)20分後

バッテリー残量31%。

 

3)30分後

バッテリー残量17%。

 

4)35分後

35分を過ぎて、高温のためシャットダウン。

 

同時計測していたストップウォッチで35分59秒を確認。

 

HERO10を再起動。

 

バッテリー残量は3%残っている。

 

撮影を再始動。

 

37分50秒で電池切れとなった。

 

 

 

まとめ

1  撮影テスト結果

    Enduro                                      Standard
環境 室温 低温 室温 低温
温度 約28℃ -5~ -9℃ 約28℃ -5~ -9℃
送風 1.2~1.3m/s なし 1.2~1.3m/s なし
10分後 バッテリー残量 83% 83% 74% 74%
20分後 63% 63% 45% 31%
30分後 44% 44% 15% ※1 17%
35分26秒 (Sd. RO) 1% ※1 3% ※1
37分50秒 (Sd. RO) 1%
40分後 24% 29%
45分後 12% ※1
50分後 3% 4%
52分01秒 (Ed. RO) 1%
55分23秒 (Ed. RO) 1%
備考 撮影モードは全て「4K 120fps」「HyperSmooth 標準」

 

👉 表中の記号について

  • Sd.は 標準Standardバッテリー、Ed.は Enduroバッテリーの意
  • ROは 電池切れ(残量1%)でシャットダウンした時間
  • ※1は 熱によるHERO10シャットダウン時点、直後に再起動して撮影を続行

 

2  性能アップの判定

まずはGoProの公表値。

 

Enduroバッテリーは「4K120fpsビデオ:51分 (40%延長)」

標準バッテリーは「4K120fps:40分」

 

そして今回のテスト結果。

 

Enduroバッテリーは「52分(28℃※) / 55分(-5℃)」

標準バッテリーは 「35分(28℃※) / 37分(-5℃)」

※室内で1.2m/s送風

 

計算してみると、

28℃下では・・・52分÷35分=1.48 で48%プラス

-5℃下では・・・55分÷37分=1.48 で48%プラス

 

標準バッテリーの公表値「4K120fps:40分」を基準にすると、

52÷40=1.3で 30%のプラスである。

 

結果、Enduroは30%以上、撮影時間が延長されていることを確認できた。

 

3  まとめ感想

1.良いところ

1つめ。

Enduroバッテリーは撮影時間が確実に長くなっていること。

特にマイナス環境下では、バッテリーが空(1%)になるまでの時間が確実に長い。

 

2つめ。

Enduroバッテリーは低温下ではオーバーヒートダウンを起こさなかったこと。

これも性能向上と言えそう。

 

3つめ。

今回のテストでは標準Standardバッテリーも頑張った。

マイナス環境下でも35分間、止まることなく撮影ができた。

 

「極寒下はすぐ止まってしまう」というレビューを確かめてみたかったが・・・

冷凍庫では自然の厳しさを再現するのは無理があったのか、イイ感じでカメラも冷却されて撮影時間をかせげたのかも知れない。

 

2.良くないところ

1つめ。

性能がアップされたEnduroであるが、値段もアップされてる。

GoPro公式サイトの価格で比べれば、Enduro÷Standard=1.28 ほど。

 

つまり約3割お高いのである。

性能3割増しで値段も3割増し・・・なるほど。

 

もう1つ。

決定的に判ったことは、ウワサ通り熱に弱いカメラだということ。

4K/120f高画質がウリなのに、平常気温で一々止まってしまうのは大問題である。

 

今回屋外を想定して風を当ててテストしたが、もし無風状態だったら・・・?

 

暑いシーズンはさらに”放熱対策”が必須になるカメラ。

 

冷却機能付きのCOOLスリーブとか “公式アクセサリー”にあってもいいと思えるほど。

新モデルでは熱対策はされるのだろうか?

 

 

次回は Enduroバッテリーの充電時間 についてテストする。

 

 

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