太陽光で回る月球儀『MOVA APOLLO MOON』開封│レビュー
MOVA Globe(ムーバグローブ)のアポロMOONがやって来た。
去年の発売だったが半年以上待ってようやく入手。
しばらくこれを眺めながらアポロ計画と月に想いを。
アポロ計画=NASAによる有人の月探査飛行計画 (1961~1972年)
アポロと月
”アポロ”と聞けばPorno Graffitti の歌かmeijiチョコレートを思い浮かべる人も多いと思うが、NASA(アメリカ航空宇宙局)の「アポロ計画」からきている。
人による月の探査は、米アイゼンハワー大統領時代から構想されていたが、後のジョンFケネディ政権下で計画実行された。
命名はギリシア神話の太陽神「アポローン」に由来。
アポロ=ロケットの名前だと思われがちだが、正確にはちょっと違う。
APOLLOはNASAのミッション呼称で、例えばアポロ11号は「アポロ計画11号機」という意味合いになる。
アポロ計画に使用されたロケット名はサターン5型(SaturnⅤ)と呼ばれる。
3人の宇宙飛行士と月着陸船を月に運ぶための巨大な3段式ロケットは、全長110.6m、総重量3,038,500kgのもあった。
アポロ11号から50年
初の月面着陸は1969年だった。
それから半世紀の2019年は50周年にあたり、オモチャ模型からアパレルや時計や文房具など、様々なメモリアル記念グッズがたくさん登場した。
この『APOLLO MOON』月球儀もその1つ。
アポロ計画では11号から17号まで、13号を除き合計6回の月着陸が行われたが、その着陸地点は全て違う。
その場所が判りやすいように、この『APOLLO MOON』には、ミッションナンバーとミッションパッチが月球儀に記されている。
ミッションパッチとは、NASAのミッション(任務)ごとのイメージからデザインされる布製エンブレム。
宇宙飛行士やミッション関係者によってデザインされ宇宙服につけられる。
ミッション | 着陸地点名
(ラテン語) |
日時 | ミッションパッチ |
Apollo 11 | Mare Tranquillitatis
(静かの海) |
1969年07月20日 13時32分 | |
Apollo 12 | Oceanus Procellarum
(嵐の大洋) |
1969年11月19日 06時54分 | |
Apollo 14 | Fra Mauro
(フラマウロ高地) |
1971年02月06日 18時48分 | |
Apollo 15 | Hadley Apennine
(ハドリアペニン) |
1971年07月30日 22時16分 | |
Apollo 16 | Descartes Highlands
(デカルト高地) |
1972年04月21日 02時23分 | |
Apollo 17 | Taurus Littrow
(タウルスリトロウ) |
1972年12月14日 22時54分 |
※ⒸNASA.gov より引用
※パッチは英語、ワッペン(独語)と同意
MOVA APOLLO MOON
1 APOLLO MOON の開封
APOLLO MOON は6インチ! と決めていたんだけど予約を待ちきれず…
手に入る4.5インチサイズの方を買った。
手に持てるサイズの月球儀。
やっぱり月は美しく、APOLLO計画のエンブレムも輝かしい。
普通の月とAPOLLOバージョンの月、同じサイズ2つになった。
ただ、台座の選択を間違えると何やら 怪しい玉 にも見えてしまう(w)。
2 APOLLO MOON に見る月着陸地点
計6回の月着陸はすべて月の表側(地球から観察できる面)にある。
月について
1 月の表情
月はいつも同じ面を地球側に見せている。
三日月の時も満月の時も1年中ほぼ同じ表情。
月がまったく動いていないように見えてしまうのだが・・・
実は月は自転をしている。
月は地球の周りをまわる“衛星”であるが、その地球をまわる公転と、月自身の自転がほぼ同期しているため、いつも地球に同じ面を向けたままの様に見えている。
2 月の大きさ
直径は 3,474.3 km(真球体ではないので平均)。
地球の直径は 12,756.3 km(赤道)。
比べると 12756.3÷3474.3=3.671倍、地球が大きい。
逆に言うと月は地球の1/4弱の大きさということになる。
3 月の距離
地球と月との距離(地表から月面まで)は 凡そ384,400km。
これは平均値であり、月が地球の周りを公転する周期(約30日)間に 約363,300kmから 405,500kmまで距離が変動する。
アポロのSaturn-V ロケットは、この384,400kmという距離を約102時間かけて乗組員と月着陸船を運んだ。
距離の測り方にはレーザー測距法という技術が使われている。
それはアポロ11計画にて月面に設置された反射板(鏡のようなもの)で、
これにレーザー光線をあて、反射した光が戻ってくる時間を計算し測定されている。
それによれば1年に約3.8cmずつ地球から遠ざかっていることが判明している。
4 月の地名
アポロ11号の月着陸船が降り立った月の地名は「静かの海」と呼ばれている。
ラテン語らしい。
ちなみに月は英語で “moon”であるが、ラテン語では “luna”になる。
月の地名は、イタリアの天文学「ジョヴァンニ・バッティスタ・リッチョーリ(1598-1671)」が月面図を作成し始めた頃に遡る。
ガリレオは望遠鏡を発明したが、当時のモノはあまり精度が良くなく、また月にも水があるだろうとも考えられていた。
そのため、白く見える部分が「陸」、黒く広がっている部分が「海」、黒い部分でもより狭い場所には「湖」「沼」などと名付けられた。
この1600年代中後期の頃の命名法は現代にも引き継がれている。
5 月の探査
月が地球側に見せている面を表側とするなら、アポロ計画による月面着陸はすべて表側で行われた。
人類はまだ月の裏側を歩いたことはない。
近年では日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構 )が2007年に『かぐや』という月周回衛星を打ち上げ、約1年半の観測とハイビジョンカメラによる映像を残した。
また2009年にはLRO(Lunar Reconnaissance Orbiter)探査衛星がNASAによって打ち上げられ、月の裏側を含め、詳細な画像データを撮影し続けた。
2019年にCNSA(中国国家航天局)が打ち上げた探査ローバー(移動探査車)は月の裏側への軟着陸に成功している。
そして今、NASAは新たな有人月探査飛行『アルテミス計画』による月面着陸を2024年に行うことを発表している。
アルテミスはギリシア神話に登場する月の女神。
NASAによれば月面へ送る宇宙飛行士のうち1人は、初めての女性になる予定とのこと。
また日本のJAXAも月を周回する新しい宇宙ステーション『ゲートウエイ』(2024年以降?)への物資補給などに関して技術協力をすることを表明している。