【道具 #22】スマートモード “デジタルマルチメータ KM601” 使い方│感想

道具

賢いモード マルチメータ KM601開封│レビュー  

 

ステイホーム=家の中でできるコトを探りつつ始めた DIY工作室

趣くまま作ったり直したり弄ったりしていく中で、揃えた道具や工具などを紹介。

 

第二十二回は“スマートモード”を備えた『電気マルチメータ』

 

また々マルチメータなのだが、スマートモード?の好奇心で試してみた。

ⒸKAIWEETS

 

ちなみにこのKAIWEETSというメーカー。

知らなかったのだが最近のブランドの様である(2018~)。

 

こうゆうガジェット類は中華系だろうとメーカーサイトを訪れたが、中国語の記載が一切なかった。(英語・独語・仏語・伊語etc)

 

でも雰囲気はそれっぽい。

製造もChinaになっている。

 

メーカーサイトは ➡ こちら

 

 

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スマートモードとは

今回の目玉(?)“スマートモード”とは「電圧(V)、抵抗(Ω)、導通(♪)を自動的に識別して測定する機能」ということらしい。

 

スゴイのか普通なのか良く判らないが便利そうである。

 

ダイオードやキャパシタ(コンデンサ)などは手動でモードを変える必要あり。

 

写真⇩ 左端3つ(電圧・抵抗・導通)がスマートモード対応

ⒸKAIWEETS

 

KM601仕様

  • 9999カウント表示  ※10000表示ではない
  • DCV999.9V/9.999Aまで計測可
  • スマートモードで電圧、抵抗、導通テストを自動的に判別計測
  • 精度 ±(0.5%+3)
  • 温度プローブ計測 -40~1000℃
  • 非接触AC検電
  • デューティー比測定
  • 自動電源オフ機能(15分)
  • LEDライト機能
  • テストリード位置インジケータ機能

 

実際はどんな感じなのかテストしながら検証してみる。

 

 

 

KM601 概要

1  開封

外箱の大きさは、横115mm×縦205mm×厚61mm。

 

開封。

 

パッケージの中にはセミハードっぽいケース。

 

ケースを開くと中にはマルチメータ本体と付属品が収まっている。

 

2  付属品

左から 黒いハードケース、本体、テストリード、検温プローブ、説明書。

 

そして単4乾電池が6本。

3  取扱説明書

冊子の前半は英語表記、後半に日本語表記がある。

 

日本語ページの説明書きは簡略版のような感じ。

 

英語ページのみで、ファンクションボタンの1つ1つを個別に説明されているので、併せて見ておいた方が良い。

 

メーカーの取説pdfは ➡ こちら にあるが、残念ながら日本語はない。

 

4  概観

全体的にはG-shockを連想させるようなゴツいカバーのついた本体。

 

前面はフラットな透明プラ板で、ゴム製の操作ボタン5カ所だけに凸がある感じ。

ただ工場出荷時からビニル袋にも入っていない裸のままの状態で箱に入っている。

 

ディスプレイ部分にさえ養生フィルムも何もないのは、ちょっと不親切。

 

背面。

 

トップにLEDライトが1つ付いている。

何を狙ったのか無駄にゴツさを演出した裏面デザインだが、立てスタンドは無い。

 

側面。

 

こちら左側に、LEDライト(懐中電灯)のスイッチがある。

 

トップ側。

 

赤いスイッチが電源ON/OFF、黒く丸い部分はNCV非接触検電のセンサー。

 

ボトム側。

 

テストリードを挿し込むコネクタ穴が4つ。

 

左から・・・

電流10A用(赤)、電流≦600mA用(赤)、COM(黒)、電圧│抵抗│導通│温度etc共用(赤)

 

左側面にあるLEDライトのスイッチ。

 

右側面には自動電源OFFの入/切スイッチ。

5  サイズ

1.カバー付きの大きさと重さ

縦長さは165mm×横幅は83mm。  ※凸ボタン含む

 

厚みは約24mm

 

本体の重さは263g。  ※電池込み

 

2.カバー無しの大きさと重さ

縦長さは160mm×横幅は77mm。 ※凸ボタン含まず

 

厚みは20mm。

 

カバー付きでは、縦長さは165mm×横幅83mm×厚み24mmだったので、ずいぶんスッキリする。

 

3.付属品の重さ

テストリードの重さは74g。

 

温度測定プローブの重さは10g。

KM601 使用方法

1  電池ボックス

付属品には単4乾電池が6本ついている。

 

今どき1.5×6=9Vも必要なんて、設計が古いのか?

 

付属の電池は信用できないので日本製Panasonicのアルカリ乾電池を用意。

 

一見すると電池ボックスの場所が判らないが、ゴツいカバーを外せば・・・

 

本体裏面に蓋がある。

 

ビス止めは1本。

 

しかし蓋を開けてビックリ。

 

必要な単4乾電池は3本OKだった。

6本も付属してたので9V仕様かと思ったが、残り3本はオマケ?予備のよう。

 

電池を収めて、電池ボックス蓋を閉める。

 

カバーを戻す。

 

2  電源スイッチ

ON/OFFスイッチはトップにある赤いプッシュボタン。

 

約2秒ほど長押しすると電源が入り、一瞬ディスプレイが全表示点灯する。

 

その直後(約1秒)で待機モード表示に変る。

 

初期モードは「Auto」の表示。

 

アナログ針を模したゲージ(水色)が V Ω ●))) マーク間を指して待機中になる。

室温「18.7℃」も常時表示。

 

3  テストケーブル

付属のテストリードのケーブルは硬めでクセがつきやすいタイプ。

 

線径は約3.4mm。

 

先端には保護キャップがあり、引き抜いて外せば長いチップにもなる。

 

反対側、マルチメータに挿す側も保護キャップがついている。

 

マルチメータのボトム底側に、テストリードのコネクタが並んでいる。

 

コネクタ穴の並びは、一般的なマルチメータと同じ配列。

左の2つが電流計測用、~10Aと~600mAまで。

 

COM(黒マイナス)を間に挟んで、右端に電流値以外(V│Ω│℃ etc)の測定用。

 

 

4  計測

1.乾電池の電圧

単三乾電池2本を直列にして、電圧を測ってみる。

 

電池ボックスは前回同様にタミヤ工作シリーズのものを使用。

レバースイッチがついていて、順方向↔逆方向に流せる。

 

テストリードの赤は一番右側の端子に、黒はCOM端子につなぐ。

 

今回はKM601付属のテストリードを使わず、4mmバナナプラグ×わに口クリップになったテストリードを用意。

 

回路や工作の電極を咥えて場合などに、ワニ口クリップがあると便利。

 

トップにある電源ON/OFFボタン(赤色)を約2秒長押しして電源オン。

 

ディスプレイは「Auto」表示で待機状態に。

 

テストリードを挿すべき位置を“インジケータ機能”で点灯指示してくれる。

 

電池ボックスのスイッチを左に倒すと1.5×2=3Vが流れる(順方向)。

 

計測時間は1秒未満。「3.283V」と表示された。

 

今度は電池ボックスのスイッチを右側に倒す。

 

逆方向接続なのでマイナス表示「-3.284」となった。

 

 

2.直流安定化電源の電圧

ToolKitRCのパワーサプライP200を使用し、12V設定時の電圧を測ってみる。

 

P200からのパワーケーブル赤黒とテストリード赤黒をそれぞれ接続。

 

KM601の電源をONにすると、テストリードを挿す端子に緑LEDが点く。

ジャックインジケータ機能

 

写真⇩ ジャックインジケータ機能は5秒間点灯するだけ

 

まだP200側はONではない状態。

 

ここでP200の電源供給スイッチ(右ジョグダイアル)を押して12.0Vを流す。

 

「12.06V」と計測結果が出た。

 

3.コンデンサの容量

220μFのコンデンサ(キャパシタ)の静電容量を計測してみる。

 

コンデンサの脚にテストリードのワニ口を挟み、KM601本体の電源をオン。

 

電源ONでディスプレイが一瞬、全表示。

 

直後に表示されたのは「MΩ」

 

“スマートモード”は「電圧、抵抗、導通」に対応しているだけ。

なのでコンデンサ容量を計測したい場合、自分でモード変更しなくちゃいけない。

 

中央にあるモード切替ボタン「AUTO/FUNC」を押して、

 

静電容量計測モード「┫┣」を指すように変更。

 

静電容量モードに切り替えた後、2-3秒ほど考え込んで、

 

「240.6μF」の計測結果が出た。

 

4.抵抗値

510Ω(緑茶茶金)の抵抗を計測してみる。

 

ワニ口クリップで抵抗の両端を挟んで、電源オン。

 

他のスイッチ類に触れることなく、自動的に「静電抵抗値モード」に変わり、計測値「509.0Ω」が表示された。

 

ここはまさに“スマートモード”らしいスマートさである。

 

5.発光ダイオード

赤色発光ダイオードを計測してみる。

 

(1)電圧

まずは電圧から。

 

わに口クリップ付きのテストリードを使用。

 

ダイオードの長い脚にプラス(+)、短い脚にマイナス(-)をつなぐ。

 

ダイオード計測は“スマートモード”非対応なので手動でモードを切り替える。

 

中央のモード切替え「AUTO/FUNC」を押してダイオードモード「▶ꡲ」にする。

 

計測結果は「1.824V」。

 

(2)電流

今回もブレッドボードを使用。

 

電池ボックス(+)からブレッドボード(+)経由で⇒

ダイオード~マルチメータ(+)(-)、ブレッドボード(-)~で電池ボックス(-)

とつながって1つの環になっている。

 

電流値を測る場合は、テストリードの赤色コネクタを差し替えないといけない。

ここはオートではないので手動。

 

使うのは左から2番目の「mA」表示のある端子。

COM(-)はそのまま。

 

回路を組んだら、電源ボックスのスイッチを左にオン。

 

計測結果は「71.02mA」。

 

モード表示ゲージ(青い針)も「mA」を指している。

 

5  懐中電灯

左側面のスイッチでLEDライトが点灯。もう一度押すと消灯。

 

 

KM601の精度

仕様書によれば、この製品も精度は±0.5%となっている。

 

基準にできる正確なマルチテスターが今この時点で無いので検証ができないが、他メーカーToAUTOFT-Xと比べてみることにする。

 

以降の写真はいずれも 左がFT-X、右がKM601

 

1  電圧の比較

乾電池3.0Vを計測してみた結果比較。

 

およそ0.27%の違い。

 

2  静電容量の比較

コンデンサ220μFを計測してみた結果比較。

 

およそ3.6%の違い。

 

3  抵抗値の比較

抵抗510Ωを計測してみた結果比較。

 

およそ0.20%の違い。

結果、電圧値(V) 静電容量(μF) 抵抗値(Ω)とも大差のない値になった。

 

4  温度計の比較

温度表示も比較してみた。

 

検温プローブでの計測ではなく、本体に内蔵しているセンサーの値。

 

ここでは3℃も開きがある。

 

ほぼ正確な温湿度計(HAKUBA)と並べてみると、FT-Xの方が近い。

 

 

 

 

まとめ

使用感

良いところ

1)ディスプレイ表示が大きくカラフルで見やすい

2)限定的ではあるがスマートモードは便利

3)温度プローブで -40~1000℃まで計測可能 ※精度は±5~±2%

4)前面のフラット感はスマホの様で見た目は斬新?

5)テストリード挿入位置を緑LEDで知らせてくれる  ※5秒間だけ

 

 

良くないところ

1)スマートモードの表示がワンテンポ遅い  ※マニュアル設定の方が速い

2)スマートモードでは DC0.8W/AC0.5W未満が測れない  ※下写真参照

3)立てかけスタンドがなく不便

4)テストリードの端子が底面なので立て掛けにくい

5)ケースが大きめで片手で持ちにくい  ※ケース無しは持ちやすい

6)前面フラット画面で傷がつきやすい  ※保護シートは必須

 

 

他はどうしようもないとしても 6)番目は気になってしまう。

 

やはりここは、保護フィルムを貼っておくのが安心。

 

LCDサイズは横54×73なので、少し大きめの4inch用を選んだ。

 

フラットなので板ガラス製でもOK。

 

FT-X vs KM601

今回のKM601と前回のFT-X 2機種を比べてみた結果。

KM601 FT-X
サイズ (mm) /カバー無 83×165×24 / 77×160×20 74×145×35
重量(g)電池込み 263 218
測定範囲(V) DC999.9 / AC750.0 DC999.9 / AC750.0
測定範囲(A) 9.999 9.999
測定範囲(℃) -40(±5.0%)~1000(±2.0%) -20~1000(±2.5%+5)
表示カウント 9999 9999
精度
DC±(0.5%+3)/AC(±0.8+3) DC±(0.5%+3)/AC(±1.0+3)
計測回数
3回/秒 3回/秒
オートレンジ あり あり
LCDサイズ(mm)
54×73 42×57
自動モード切替 あり(スマートモード) なし
非接触検電 アラーム音あり ビープ音あり
過負荷保護 250V fuse 550V
オートパワーオフ 約15分(解除可) 約5分(解除可)
LED懐中電灯機能 あり なし
電源 単4乾電池×3 単3乾電池×2
テストリード 線長約65cm 硬め 線長約65cm 柔らかめ
ケース ハードケース付 巾着袋

 

FT-Xの過去記事は ➡ こちら

 

 

まとめ感想

KM601の“スマートモード”は便利と言えば便利だが、連続して計測作業する時などは、ワンテンポ表示が遅いのがもどかしく感じそう。

決まった作業の繰り返しなら、マニュアルモードで選択してからの方が〇。

 

画面が大きく見やすいKM601だが、そのぶん本体サイズも大きい(カバー付)。

手持ちするなら軽くて小柄なFT-Xの方が使いやすいかも。

 

性能的にはほぼ団栗の背比べ。

値段的にもほぼ同じ。

 

あとは色形のデザインや手持ち感など、個人的な好みになると思われる。

 

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