『HAKKO│白光 工業用ドライヤー』比較│開封│レビュー
ステイホーム=家の中でできるコトを探りつつ始めた DIY工作室。
興味の趣くまま作ったり直したり弄ったりしていく中で、揃えた道具や工具などを紹介。
第十三回は『熱風ドライヤー』。
モノを乾かしたり温めたり、素材を熱加工したりする手持ち型の熱風機。
「ヒーティング・ガン」とも呼ばれる。
白光 ヒーティングガン FV310
工業用ドライヤーの国内有名メーカーは makita(マキタ)、RYOBI(リョービ)、HAKKO(白光)など。
今回は3社製品を比べた末、白光の製品を選んでみた。
DIY工作に一番使いやすそうだったのが理由。
- 本体が小型軽量
- 細かな温度&風量調節が可能
- 置いたまま調整操作が可能
- デザインが好み
外観
1.開封
プラスチック収納ケースが付属。その上にカバー包装。
プラスチックケースはグレー色。
中身はヒーティングガン本体と説明書。
2.サイズ
全長は約 240mm。
全幅は約74mm(胴の一番太い部分)。
グリップ部の太さは約47mm × 35mm。
空気の取り入れ口は本体後部にある。
ON/OFFスライドスイッチはグリップの前部に配置。
立てて使用する時の滑り止めが3か所ついている。
重さは約745g。(コード結束バンド込み)
特徴と使い方
1.温度と風量
温度と風量はそれぞれ独立したダイヤルを回すことで設定できる。
温度調節(ダイヤル連続可変)・・・50℃~530℃
風量調節(ダイヤル連続可変)・・・0.15㎥/min~0.25㎥/min
温度と風量の調節ダイヤルには各々「1」から「5」まで目盛があるが、その中間も設定できる。
無段階ではなくクリック感があるダイヤルで、正確には25コマの段階を選べる。
写真⇩ 温度と風量の調節ダイヤル
2.ON/OFFスライドスイッチ
一番下がOFFの状態。
「Ⅰ」に上げるとダイヤル目盛りに関係なく、約50℃の温風で固定される。
「Ⅱ」に上げるとダイヤル目盛りに応じて、50℃から530℃の温度調整ができる。
50℃以上の熱風にする場合はON/OFFスライドスイッチを「Ⅱ」にするのだが、風量と温度は相互関係にあって、最大風量で最高温度530℃にはできないし、最小風量で最低温度50℃にはならない。
温度と風量の関係については取扱説明書の『温度分布表』を参考にする。
3.用途別オプション
対象物や用途に応じてオプションパーツが用意されている。
4.主要オプション3点
DIY工作に使えそうな主要オプション3種類。
1)スタンド B5166
幅120mm×奥行80mm×高さ65mm。
裏側には滑り止めのゴム足。
スタンドが無くてもドライヤーは自立できるが、スタンドがあった方が倒れにくく安全。
写真⇩ スタンド未使用の状態
写真⇩ スタンド使用の状態
2)ヘラ型ノズル N70-02
間口の内寸は約62mm。
熱収縮(シュリンク)のフィルムやチューブに使用する。
ドライヤー先端に何もない状態より温風の当たり方をコントロールできる。
3)先丸ノズルホルダー N70-05
先細ヘラ型(N70-01)や先丸ノズル(N70-06)を使用する時の根元パーツ。
約10mm径の筒先になっている。
本来は⇧上図ような『平ヘラ20mm(N70-01)』や『丸ノズル12mm(N70-06)』といったアタッチメントの台座パーツ。
でもプラスチック素材の熱加工やスポット的なハンダ溶かしなどの小作業なら、このノズルホルダー(N70-05)単体だけでも使える。
5.動作音(ノイズ)
騒音レベルを計ってみた。
計測時の室内レベルは35.5dB。
ドライヤーと測定器の距離は約20cm。
風量ダイヤル1(最小)の時は 73.5dB。
風量ダイヤル5(最大)時には 83.8dB。
参考までに風量固定の HAKKO-882は 71.3dBだった。
ライバル機種
3メーカー
1.マキタ HG6031VK
全長250mm × 全幅86mm(約)。重さは約680g。
マキタも自立させて使用できるが、温度調節ダイヤルやON/OFFスイッチが机面に隠れるため、操作の度に持ち直さなければならない。
個人的にはこの点がマイナス評価になった。
2.リョービ(京セラ) HAAG-1551
全長255mm × 全幅82mm。重さは約580g。
リョービも自立させて使用できる。
温度調節ダイヤルは本体側面にあるので、置いたまま操作可能。
3.HAKKO HEATING GUN 882(旧モデル) ※参考比較
こちらはHAKKOの旧モデル。
温度は冷風(室温)から450℃までの無段階。風量は0.2㎥/minの固定式。
全長は285mm✖全幅70mm。
ON/OFFスイッチはグリップの背側に。
温度調整ダイヤルは本体後部にある。
後端の太いワイヤーが立て置きのスタンドになっている。
重さは約 814g。(コード結束バンド込み)
まとめ
比較表
白光
FV-310 |
マキタ
HG6031VK |
リョービ
HAG-1551 |
白光
882 |
|
大きさ(mm) | 240×70×190 | 257×85×206 | 255×82×205 | 285×70×185 |
重さ(g) | 600g | 670g | 580g | 814g |
熱風温度(℃) | 50~530 | 50~550 | 50~550 | 室温~450 |
温度調節 | 25段階 ダイヤル | 9段階 ダイヤル | 無段階 | 無段階 |
風量(㎥/分) | 連続 0.15~0.25 | 低 0.2/高 0.4 | 低 0.25/高 0.5 | 0.2 |
風量調節 | 25段階 ダイヤル | 2段階 ON/OFF兼 | 2段階 ON/OFF兼 | 1段階 |
ON/OFF スライドスイッチ |
SWⅠ約50℃固定
SWⅡ50-530℃ |
SWⅠ50-350℃
SWⅡ80-550℃ |
SWⅠ50℃~不明
SWⅡ不明~550℃ |
SWⅠ室温度
SWⅡ熱風 |
消費電力(w) |
1000 | 1200 | 1200 | 1000 |
動作音(dB) | 73.5~83.8 | 未測定 | 未測定 | 71.3 |
付属品 | ケース | ノズル4種類
スクレーパー2種 ケース |
ノズル4種類
スクレーパー2種 ケース |
※カタログ抜粋
感想まとめ
- 持って作業することを考えると一番軽いのはリョービ。
- 本体のコンパクトさは白光。
- 550℃の熱風と0.4-0.5㎥/分の風量が出るのは“1200W仕様”のマキタとリョービ。
- 細かな風量調整ができるのはHAKKOのみ。
どの機種も一長一短がある。
DIY工作で使う用途と言えば、プラスチック素材を曲げたり、配線のシュリンクチューブを被せたり、接着剤を硬化促進のため温めたり、といった小物作業が中心。
たぶん1200Wの熱量は必要ないと思うし、なるべく小型で軽く邪魔にならない方がいい、
という理由で今回は白光FV-310がベストだった。