『HAKKO こてスタンド FH-800』FM-2028仕様│開封│レビュー
ステイホーム=家の中でできるコトを探りつつ始めた DIY工作室。
興味の趣くままに揃えた道具や工具などを紹介。
第二十五回は、HAKKOの『小型はんだごてスタンド』。
前回、手持ちの鏝FM-2028に対応すべくHAKKOのこて台FH-305を小改造した。
今回はさらに小型にしたくて、こて台FH-800を小改造する。
HAKKO FH-305 こて台
現在、HAKKOのステーション型はんだコテFX-951を使用中。
セット付属品の“こて台”が大きいので小型のHAKKO FH-305を別購入し、口金部分をはんだコテFM-2028に対応できる様に小改造した。
過去記事は ➡ こちら。
これはこれで必要十分で良いコテ台なのだが、いくらか不満もある。
- クリーニングワイヤを使用すると折りたためない=つまり大きいまま
- クリーニングワイヤを掃除する際の出し入れがちょっと面倒
- 折りたたまない状態での嵩張りは元のFH-200と大差ない…etc
「はんだゴテを置くだけの台だからもっと小さくていい」
「でも他社製ではなくHAKKOカラー製品がいい」
というコダワリで、新たに選んだコテ台が FH-800 なのである。
HAKKO FH-800 こて台
FH-800は元はステーションFX-888Dセットに付属しているこて台。
本体色はシルバーとブルー/イエローの2種類ある。
1 特徴
- 小型の据え置きタイプ
- クリーニングワイヤを内臓(付属)
- クリーニングスポンジも装備(付属)
2 問題点
FX-888Dステーションのセット品であることからも判るが、はんだコテFX-8801専用のこて台になっている。
コテ先FX-8801とFX-2028は形状が全く違う。
つまりコテ台の口金形状が他機種のコテ先には対応していない。
なので今回も、これを小改造してFX-2028対応型に小改造する。
FH-800 概観
1 開封
外箱外寸は180×87×117mmH。
付属品は、取説とクリーニングスポンジ、クリーニングワイヤ。
2 取扱説明書
片面が日本語、裏面が英語。
クリーニングスポンジ&ワイヤの設置と掃除方法が解説されている。
3 サイズ
奥行き長さは165mm、最大幅は79mm。
高さは約96mm。
重さは272g。
付属のクリーニングワイヤの重さは11g。
4 比較
FH-200とFH-305を比較してみる。
左がFH-200、右がFH-305。
面積的にはほぼ同じサイズだが、
高さは右のFH-305(125mm)より30mmほど低くなっている。
丸みのあるデザインなので、小じんまり見える。
5 FM-2028との相性
こて台FH-200にはんだこて(FM-2028)を乗せてみる。
こてFM-2028用ではないので口金とサイズが合っていない。ガバガバ。
引っ掛かりも無いので外れて落ちてきそうである。
FH-200 口金交換
右側は前回に小改造したFH-305こて台。
これに装着した口金パーツ(B3001)を左側FH-200に移植することにする。
1 口金の交換
1.元の口金パーツ
口金パーツ(黄)は、引き抜けば外れる。
ネジや接着剤はなく、差し込まれているだけ。
2.口金B3001
口金B3001の両サイドを観ると浅い溝が切ってある。
この溝は他のコテ台(FH-200など)に対応するための溝だが・・・
これを利用してコテ台FH-800にも取り付けできないか、組み合わせてみる。
見た目にはちょうど収まっているように見える。
これはいいかも?
と思ったが、隙間が広すぎるため固定が出来ず、すぐ外れてしまう。
3.口金のサイズ
こて台側の間口を測ってみると、内径は38.33mm、
純正の口金の幅は37.97mm。
元の口金はわずか0.36mmのクリアランスでピッタリ嵌め込まれていた。
対して、装着したい口金B3001のサイズ(溝の幅)は36.96mm。
こて台の間口とは1.37mmも隙間があることになる。
このままでは隙間が大きすぎてスカスカガバガバである。
この1.3mmも隙間を上手くおさめて固定させたい、というのが改造目的である。
2 ビスの利用
1.トラスビス(元)
口金B3001には固定用ビスが付属している。
本来は、こて台FH-200などに固定するためのビスである。
このビスを利用して、こて台FH-800の枠かどこかに固定できないかまず検討した。
先ずはそのままビスを締め、こて台の受座に強引にはめ込もうとしたが・・・
これは無理だった。
口金の溝にビスの丸い頭がかかっているため、奥まで入らないのである。
付属のビスは「トラスビス」と呼ばれる形状のねじ。
平たく大きめの頭をしている。
測ってみると「トラス」の頭径は9.15mmある。
ネジの径を測ると約3.9mmなので、呼称4mm径のM4ビスである。
2.トラスビス(代替案)
このトラスビスでは“頭サイズ”が大きくて受座にはめ込めない。
ならば、頭のサイズを換えてやったらハマるのではないか?と考えた。
JIS規格によると「トラスビス M4」の頭径は9.4mm(誤差+0 −0.5)となっている。
M4ビスで、トラス(9.4mm)より小さい頭のネジはないか・・・
と探したところ「ボタンビス」という形に辿り着いた。
3.ボタンビス
こちらが“ボタンヘッド”と呼ばれる形状。
JIS規格では「ボタンビス M4」の頭径は最大7.60~最小7.24mm。
トラスより約2mm小径である。
頭の厚みは約2mmで、トラスビスM4の厚みとほぼ同じになっている。
3 ボタンビスの取り付け
今回用意したのはM4×8のステンレス製ボタン。
頭の直径は7.49mm。
口金B3001にこのビスを締め込んでみる。
ビスの頭はギリギリ溝には掛からない。
これならイケそうである。
首下長8mmが、奥まで締めてちょうど面一になる長さ。
4 口金の取り付け
こて台の受座に口金の溝分部を合わせる。
この状態でガタ付きを感じない、程よいピッタリ感である。
そのまま奥まで押し込む。
ピっタリ固定された。
隙間を埋める様に、ほど良くボタンビスの頭がはまり込んでいる。
口金の下部には隙間が残っている、が左右にはガタつきが無い。
「口金の隙間を埋めつつ、こて台の受座にピタリはめ込む」
つまりビスの厚みで隙間を埋めガタ付きを無くす、フリクション固定である。
口金を持ち上げても落ちたりしない。
はんだこてFM-2028を置いてみる。
目的通り良い感じになった。
まとめ
使用感
良かったところ
折りたたみに拘らないことで返ってシンプルなコテ台になった。
高さ的にも、元の96mmから更に低い85mmになった。
良くなかったところ
あえて挙げるなら、クリーニングワイヤーの開口部が小さいこと。
コテ先を突っ込んで掃除したい時に、開口部が小さめなため、やや気を使いながら慎重になってしまい作業性が悪い。
その点は特にマイナス。
まとめ感想
1台にクリーナースポンジとワイヤをまとめたFH-800は良いコテ台だと思う。
色もシルバーとHAKKOカラーの2種類から選べる。
願わくば、メーカー側でコテ台と口金の規格や固定方法を統一してくれれば、このような工作も面倒もなくなるだろうと思う。
コテ先もコテ置き台も、半田付けには大事な道具。
好みやコダワリに対応できるよう、是非とも統一規格を検討してもらいたい。