正確│高速『HIOKI マルチメータ DT4253』開封│レビュー
修理や工作など趣くまま始めたDIY工作室。
初めての道具や工具などを揃えながら個人的感想で紹介。
第三十回は、温度計測もできる『電気マルチメータ』。
“マルチメータ”は電気関係の数値、電圧・電流・抵抗などを測る基本的器具。
スタンダード
電気関係(電圧・電流・抵抗など)を測定するマルチメータ。
理科の授業でも触れた記憶のある見慣れた器具。
安い物は1000円未満からあり中国製などには目を引くデザインも多い。
ただ実際に安い機種を使ってみると…どうも不安になる。
例えば同じ電源を同じ機種2台で測ってみても数値がかなり違ったり。
仕様書に”確度(誤差)”の範囲が記されているが、それを外れているものもあったりする。
たかが趣味の工作でもいい加減な数値(かも知れないと疑いつつ)では気分が悪い。
派手なデザインの海外製など、ほんとに仕様書通りなのか?を判別できる精度の良いマルチメータがやっぱり必要なのである。
候補 3機種
海外にも有名な測定器メーカーはあるが、やはり信頼できる日本製から選びたい。
今回の機種選びの条件。
- 国内メーカー
- デジタル表示
- 確度0.8未満
- オートレンジ機能
- バックライト
- ダイオード測定
- コンデンサ測定
- PC接続でデータ管理(将来用)
日本国内の有名メーカーと言えば、A&D、三和電気計器、日置電機らしい。
候補はこの3機種から選ぶことに。
HIOKIの汎用スタンダード機ならDT4256になるとのことだが、あえて温度測定もできるDT4253を候補にしてみた。
3機種 仕様比較
DT4253 | PC710 | AD5519 | |
カウント表示 | 6000 | 6000 | 6000 |
オートレンジ | あり | あり |
あり |
ホールド機能 | あり (最大最小) | あり |
あり |
バックライト | あり(間接LED) | あり(透過オレンジ) |
あり |
サンプリング | 5回/秒 | 5回/秒 |
2-3回/秒 |
電圧測定DC レンジ |
600mV~1000V/5 |
60mV~999.9V/5 | 60mV~1000V/6 |
電圧確度DC/AC | 0.3%±5/0.9%±3 | 0.06%+2/0.5%+3 |
0.5%+1/1.0%+3 |
電圧分解能 | 不明 | 0.01mV |
0.01mV |
電流測定 レンジ | 60μA~60mA/4 |
600μA~10A/5 | 600μA~10A/6 |
電流確度DC/AC | 0.8%±5/0.9%±3 | 0.2%+4/0.6%+3 |
1.0%+3/1.2%+5 |
電流分解能 | 不明 | 0.1μA |
0.01mA |
4-20mA換算 | あり | ー |
ー |
抵抗測定レンジ | 600~60MΩ/6 | 600~60MΩ/6 | 600~60MΩ/6 |
コンデンサ容量 レンジ | 1μF~10mF/5 |
60nF~25mF/7 | 40nF~4000μF/6 |
温度測定 | K型 -40~400℃
(別売プローブ) |
K型 -50~1000℃
(PC接続時のみ) |
ー |
ダイオードテスト | 閾値0.15~1.5V | 開放電圧約3.5V | 開放電圧約2.8V |
デューティー比 | ー | 0%~100% | 1.0%~99.0% |
導通チェック | On 25Ω~Off 245Ω | On 20Ω~Off 300Ω | 約60Ω以下ブザー |
PC接続 | 別売ケーブルで可 | 別売ケーブルで可 | 同梱ケーブルで可 |
検電機能 | ー | 約20V以上 断続音 | ー |
オートパワーオフ | あり | あり | あり |
電源 | 単4アルカリ電池×4 | 9V電池 | 9V電池 |
寸法 | W84×H174×D48 | W86×H184×D52 | W87×H180×D40 |
重さ ※電池込み | 約390g | 約430g | 約350g |
付属品 | テストリード、ホルスター | テストリード、ホルスター、温度センサー | テストリード、USB通信ケーブル、抵抗コンデンサ測定アダプタ、CD-ROM |
※メーカー公表値
表中では単位(m・μ・nなど)が混在している。
メーカーによって単位を換えていたりするので、比べる時は揃えないといけない。
👉メモ・・・単位について
ミリ(m)・・・0.001 (※1Aに対して1/1000)
マイクロ(μ)・・・0.000001
ナノ(n)・・・0.000000001
【 例 】1アンペアの場合:1A=1000mA=1000000μA=1000000000nA
表中の「1μV」は「0.001mV」でもあり、「100nA」は「0.1μA」でもある。
あぁややこしい。
HIOKI DT4253 概観
3候補から選んだのが日置電機のマルチメータ DT4253。
その理由は・・・
- 液晶の表示文字が見やすい(購入前に試用)
- ロータリースイッチの感触が良い(購入前に試用)
- ロータリースイッチ周りの印刷が見やすい
- ブルー&グレーのデザインが地味でシンプル
- 9vの電池は使いたくない
- 温度プローブを試してみたい など
1 開封
外箱は(約)幅127mm×縦214mm×厚63mm。
「DT4253」とラベルしてあるが、箱の写真はDT4256である。
パケ写真見て買っちゃう人いないんだろうか?
ちょっと心配になる。
ちゃんと中身のモデルを写真にしたほうが良いと思う。
2 付属品
箱の左から…本体、テストリードと単4電池×4本、取扱説明書。
テストリードはL9207-10品番。
付属の単4アルカリ電池はTOSHIBA。
3 取扱説明書
説明書は日本語のみで、約100ページある小冊子。
DT425xシリーズ(4252~4256)共通になっている。
4 外観
正面から。
上部が太めで下部にかけて細くカーブしていくデザイン。
全体を覆うように青いホルスタ(カバー)が初めからついている。
このカバーによって高さ1mからの落下衝撃にも耐えられるとのこと。
側面。
右も左も特になにもなし。
背面中央には立てかけスタンド(グレー色)がついている。
その両脇にはテストリード棒を挟んでおけるキャッチ(青い溝)がある。
スタンドは約45度開く。
背面上部にはオプションのUSB通信パッケージDT4900-01装着ポートがある。
底面。
テストリード端子の接続口は3つ。
5 サイズと重さ
1.マルチメータ本体
横幅は84mm、縦は174mm(約)。
厚みは約48mm。
ホルスタ(青いカバー)付きの重さは約399g。 ※電池込み
ホルスタはかぶせてあるだけ、簡単に外せる。
中身の本体サイズは(約)横77×縦173×厚37mmになる。
ホルスタを外した本体の重さは約283g。 ※電池無し
ホルスタの重さは70gである。
2.テストリード
テストリードはシリコンで柔らかめ。
長さはリード線部分のみで約90cm。
ケーブル径は3.6mm。
テストリード2本の重さは約67g。 ※保護キャップなし
6 オプション
1.携帯ケース C0201
DT4251~4256共用のハードケース。
上蓋はスナップボタン留めで開閉。
仕切り板があり、左にマルチメータ本体、右にテストリードを収納できる。
本体側の上部には緩み防止のゴムバンドがついている。
仕切り板は固定されていて外せない。
2.わに口クリップ L4934
テストリードのピン先に装着するオプションパーツ。
小型のわに口クリップになっている。
テストリード・ピンの保護キャップを外してから装着する。
3.保護フィルム
純正品にはないが、表示窓に貼る保護フィルムを用意。
液晶部分は57×32mmの長方形。
でも、その周り(ベゼル?)もキレイに保ちたい。
しかし枠部分は上辺も下辺もゆるくカーブした特殊な形。
そんな形のフィルムは無いので、一番近いサイズの大きめ長方形から選ぶことに。
今回もELECOMの3.0インチ用ガラス製フィルムを用意。
内容品はガラスフィルムとクリーニングクロス、
大きさは60mm×45mmサイズ。
貼り方はスマホ用と何ら変わりなし。
まずは仮置きして、サイズと余白を確認。
クリーニングクロスとエアダスターで汚れと微細埃を除去。
液晶の窓は57×32mm。
それを少しオーバーする60×45mmサイズにしておいた。
DT4253 使用準備
1 電池ボックス
本体裏の立てかけスタンド奥に、電池ボックスがある。
TOSHIBA製の単4乾電池×4本が付属している。
ここはいつものようにEVOLTAを用意。
固定ネジは1本、ドライバーはプラス(+)#2。
2 電源オン
普通マルチメータにはON/OFF単独スイッチはない。
「OFF」状態からロータリースイッチを回せば、それで電源ONになる。
試しに「mA」測定モードにスイッチを回してみた様子。
そのまま「💡」ボタンでバックライトを点けてみた様子。
安っぽい電球色ではなく白色LEDなところも、HIOKIを選んだ理由の1つ。
3 操作キーと表示
以下、取扱説明書からの抜粋。
4 テストリード
付属しているのはL9207-10品番のタイプ。
先端キャップを外せばテストピン導体部分を長くすることができる。
他社の場合クロムメッキ(銀色)がほとんどだがHIOKIは金色メッキ。
ここもお気に入りな部分。
マルチメータ側プラグの保護キャップ。
こちらの奥は先端が赤い色をしていて金属が剥き出しになっていない。
補修パーツとして別売もされている。
準備編はここまで。
計測テストは ➡ 後日。