【小物】”4mmバナナプラグ×グラブ式プローブ テストリード” 作り方【DIY】

工作

グラバーテストリード工作修理DIY方法   

 

工作や修理で使う工具や道具を揃えつつある工作室。

 

玩具の修理や電子工作などマルチメータやパワーサプライetcを使う場面が多いが、そういった機器類には周辺アクセサリーもいろいろ必要。

 

特にケーブル/ワイヤー類は、長さや形状など中々好みのモノが見つからない場合が多く、結局は自分で作るしかなくなるのである。

 

そんな事情で自作することになった小物工作シリーズを順不同で紹介。

 

#1『4mmバナナプラグ↔グラブ式テストリード』

 

 

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グラバー式テストリードの作り方

1  材料の準備

1)グラブ式プローブ

いろいろな種類が出回っている電子工作/計測用の先端プローブ。

 

今回の題材は、先端部分が″摘まみ式”になったタイプ。

線材を「つかむ」という意味で、グラバー、ピンチャなどとも呼ばれるらしい。

 

※以降、グラバープローブで表記

 

内蔵スプリングによって先端の金属爪が開き、対象物を掴むことができる構造。

 

グラバープローブのケース全長は約49mm。

 

先端プラスチック部分の太さは約2.9mm。

 

摘まみ部を出した時の長さは約3.8mm。

 

重さは1.1g。

 

分解する場合は、

①ケースを両側に引っ張り

 

②中の導板を90度ひねるようにして

 

③さらに引き抜くと分解できる。

 

2)4mmバナナプラグ

通称バナナプラグは、側面の板バネ圧力によるフリクション力で固定させる端子。

 

スピーカーやマルチメータなど、一般的によく用いられるのがΦ4mmになる。

 

この製品の場合、全体の長さは約55mm。

 

柔らかい素材のカバーの太さは約11mm。

 

先端プラグ部分は、公称通りの直径約4mm。

 

分解する場合は、

カバー部分から金属プラグを引っ張り抜くだけ。

 

プラグにある、リードワイヤーを挿し込む穴径は約3.4mm。

 

ワイヤーを挿し込んだら、イモネジで固定できる構造。

 

さらにプラグ胴部にも横穴があって、別のΦ4mmバナナを挿し込むことができる。

 

重さは5.0g。

 

3)リードワイヤー(導線)

リードワイヤーには規格があり、AWG(American Wire Gauge)がよく知られる。

 

今回用意したのはAWG#16ゲージの”シリコン銀ワイヤー”という製品。

シリコン製の被覆チューブなので、柔らかくて取り回ししやすいのが特徴。

 

被覆ワイヤー外径は、2.73mm。

 

線材(撚り線)の外径は約1.35mm。

 

2  工作の手順

赤色と黒色の2本を作る。

 

リードワイヤーは赤と黒をそれぞれ45cmずつ用意。

プラグ込みの長さで50cmにする予定。

 

4mmバナナプラグ、グラバープローブもそれぞれ2セット用意。

 

1)準備

AWG#16ワイヤーの直径を確認。

 

プラグカバーの穴の内径は約3.15mm。

 

なので、その差0.35mmほどの余裕(すき間)があることになる。

 

2)バナナプラグのはんだ付け

補強のため、リードワイヤー端部に少量ハンダを染み込ませる。

 

イモネジ固定タイプなので「はんだ付け不要」ということになっている。

しかしワイヤー端部を固めておくことで、力がかかった時のスッポ抜け防止になる。

 

ハンダを溶かしたら、端部をすぐフラットノーズプライヤで平らに成形しておく。

 

ハンダはごく少量で十分。

※ ハンダが多いとイモネジが締まりきらない

 

プラグの穴にワイヤー端部を挿し込んでイモネジで固定する。

※ここは半田付けをしない

 

そのままバナナプラグのカバーを被せて完成・・・

 

でもよいが、ワイヤー外径とカバー穴の”すき間”を埋めておきたい。

すき間は、熱収縮絶縁チューブでふさぐことにする。

 

熱収縮絶縁チューブの長さは、プラグカバー長を超える長さにする。

 

加熱収縮させた後、プラグカバーをかぶせる。

 

熱収縮チューブをかぶせることで、ワイヤーの外径は約3.45mmになる。

 

プラグカバーの穴径3.15mmより若干太いが、プラグカバーが軟質素材なので、少々太めの線材を通すことで穴ピッタリに出来る。

 

3)グラバープローブのはんだ付け

グラバープローブのケースを分解。

 

リードワイヤーが通る穴は内径2.4mm。

 

そのままでは外径3.45mmのリードワイヤーが通らないので、Φ3.5mmドリルで穴を拡張しておく。

 

穴を拡張したケースに予めリードワイヤーに通し、はんだ付けをする。

 

はんだ付けしながら、ワイヤーを導板に平たく押し付ける。

 

薄く仕上げないとケースに収まらなくなるため。

 

はんだ作業が終わったら、プローブケースを戻しかぶせて完成。

 

 

 

グラバー式テストリードの使用例

 

写真⇩ マルチメータ(電気計測器)ではテスターリードとして使用

 

写真⇩ DCパワーサプライ(直流安定化電源)ではDC電源ケーブルとして使用

 

 

 

まとめ

Φ4mmバナナプラグは様々なシーンで使われている。

電気計測機器、直流安定化電源、RC模型、スピーカーなどなど。

 

それらにつなぐコード/ワイヤー類は、作業環境や作業内容によって、長さや太さを変えたかったり、クリップの種類を変えたい場合がある。

 

しかし、その都度に必要な市販品を探していては時間もかかるし出費も大変だし、

探し回った結果も希望通りの既製品が見つからないってことも多々ある。

 

そこでDIY自作。

何より希望通りのモノが作り出せる。

 

実際、今回のテストリード2本を作るのに要した時間は5分未満。

(基本的な道具は必要だが)

材料費から見ても市販品よりかなり安く作ることができた。

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